【映画レビュー】メイズ・ランナー / The Maze Runner
「トワイライト」シリーズ、「ハンガー・ゲーム」シリーズなどと同じく、アメリカでベストセラーとなっているヤング・アダルト小説を映画化した『メイズ・ランナー』です。
ヤング・アダルト小説を原作とした映画というと、原作を読んでいないとちょっと設定や詳細がわかりづらかったりするものですが、この作品は大丈夫。
なんせ、主人公のトーマスも名前以外の記憶がない、他のメンバーたちも“なぜそこにいるのかがわかっていない”という状態から始まります。
観客も主人公と一緒に、その世界の設定をひとつひとつ知っていく、という展開なので、「原作を読んでいないせいで、置いていかれてる…」という感じがないのです。
何もよくわからない“グレード”の世界で、主人公と一緒に“巨大迷路(メイズ)”の謎に挑む楽しみや、怪物と戦うドキドキ感、大きな陰謀の謎を解く楽しみを味わうことができる、エンターテインメント・ムービーということができるでしょう。
<STORY>
トーマスが目をさますと、そこは“グレード”だった。名前以外の記憶をなくしたトーマスは、この“グレード”には月に一度、名前以外の記憶のない若い青年たちがリフトに乗せられ送り込まれてくることを知る。トーマスは、グレードを囲む壁に興味を持つ。それは朝になると扉が開くが、奥は迷路になっていて、中に入るとグリーバーと呼ばれる化け物が襲ってくるのだ。俊足の“ランナー”たちだけがその迷路に侵入し、グレードからの出口を探していた。
<解説>
高い塀に囲まれた謎の土地“グレード”に、月に一人ずつリフトで送られてくる青年たち。
そのグレードを囲む壁は迷路(メイズ)になっており、その奥にはグレードから脱出できる出口があるらしい…。
彼らは皆、名前以外の記憶を持たず、何もわからないままに共同生活を送りつつ、グレードから脱出する方法を探している。
そのグレードからの脱出の大きな役割を担っているのが、“ランナー”と呼ばれる俊足の青年たち。
彼らはメイズの中に入って、メイズの謎を探っていた…。
この映画『メイズ・ランナー』は、謎だらけのところから始まります。
グレードの新入り・トーマスは、何もわからないまま、グレードのリーダー・アルビーやサブリーダーのニュートに教えられながら、グレードのルールを学んでいきます。
しかし、トーマスは他のグレードのメンバーとは少し違っていました。
彼は、グレードに関して、“何か”を知っていたはずなのです。
でも記憶を失っているので、その“何か”がどういうことなのか、わからないままでいます…。
そんなトーマスは、グレードを囲むメイズに興味を持ち、いろいろ調べようとします。
メイズに入れるのは、ミンホ率いる俊足のランナーだけなのですが、あるきっかけでトーマスとミンホ、そしてアルビーは、メイズに一晩閉じ込められてしまいます。
そして、これまでで初めて、朝までメイズの中で生き延びたのです。
トーマスの登場をきっかけに、少しずつ、グレードの雰囲気が変わっていきます。
そこに、トーマスのことを知っているらしい女の子・テレサが「彼女で最後だ」というメモを持たされ、リフトでやってきます。
これまで、グレードに女子はいませんでした。
グレード初めての女子、そして最後の女子。
このグレードの変化は、何を意味するのか?
トーマスとテレサは何を知っていたのか?
そんな謎を秘めながら、物語は急展開していきます。
トーマスやミンホ、テレサたちは、グレードからの脱出ルートを解明し、メイズの中に入っていくのです…。
実はこの作品、三部からなる連作の第一部にあたります。
グレードからの脱出はプロローグに過ぎず、さらなる展開がグレードの若者たちを待ち受けているのです。
彼らの大きな物語は、これからが本番と言えるでしょう。
シリーズ第一作となる本作『メイズ・ランナー』、魅力的なキャラクターの紹介編として、彼らの高い身体能力や葛藤の演技などを十分に見せてくれます。
しかも、ちょっと線は細いけれども正統派のイケメンのディラン・オブライエン、『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』でポール・マッカートニーを演じていたトーマス・ブロディ=サングスター、『大統領の執事の涙』でフォレスト・ウィテカーの若い頃を演じていたアムル・アミーン、『リトル・ランボーズ』で映画泥棒少年を演じていたウィル・ポールターら、これからの活躍が期待されるヤングスター目白押し。
個人的には、ミンホを演じる韓国系俳優のキー・ホン・リーくんが気になります。
オリエンタルな魅力で、これからかなり人気が出そうなキーホンくん、二作目でも活躍してくれることを期待しています!
『メイズ・ランナー』(113分/アメリカ/2014年)
原題:The Maze Runner
公開:2015年5月22日
配給:20世紀フォックス映画
劇場:TOHOシネマズ 日劇ほか全国にて
原作:ジェームズ・ダシュナー
監督:ウェス・ボール
脚本:ノア・オッペンハイム/グラント・ピアース・マイヤーズ/T・S・ノーリン
音楽:ジョン・パエザーノ
出演:ディラン・オブライエン/カヤ・スコデラリオ/アムル・アミーン/トーマス・ブロディ=サングスター/キー・ホン・リー/ウィル・ポールター/パトリシア・クラークソン
Official Website:http://www.foxmovies-jp.com/mazerunner/home.html
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