【映画レビュー】コードネーム U.N.C.L.E. ／ The Man from U.N.C.L.E.

冷戦時代の真っ只中、1960年代に人気を博したテレビシリーズ「0011ナポレオン・ソロ（原題：The Man from U.N.C.L.E.）」。
“United Network Command for Law and Enforcement”（法執行のための連合網司令部）、略して“U.N.C.L.E.”に所属するアメリカやソ連のスパイたちが、様々な脅威に立ち向かう姿を描いたスパイ・ドラマです。

このドラマ「0011ナポレオン・ソロ（原題：The Man from U.N.C.L.E.）」をリメイクしたのが、映画『コードネーム U.N.C.L.E.（原題：The Man from U.N.C.L.E.）』。
実は、原題は昔のドラマと同一です。

この映画の主人公は、アメリカはCIAの凄腕スパイ、ナポレオン・ソロ。
美術品泥棒として鳴らしていたところ、その才能を見込まれてCIAにスカウトされたという訳ありの男です。
おしゃれでスマート、女好きな、いかにもアメリカンの優男、という感じです。

そんな彼のバディとなるのが、ソ連はKGBのエリートスパイ、イリヤ・クリヤキン。
196cmという巨体で、格闘能力も素晴らしい。
直情径行というか、たまに頭に血が上ってしまうのがタマにキズ…。

こんな二人が、ドイツ人科学者の娘・ギャビーを守りながら、世界壊滅を目論む巨大企業のお膝元、ローマに乗り込むことになります。

この作品、水と油のようなアメリカン・カウボーイと赤の脅威、二人のスパイのバディ・ムービーが基本なのですが、それ以外にお楽しみポイントがたっぷりです。
コンピューター・ネットワークなどで世界中が繋がっていない、古き良き1960年代が舞台なだけあって、スパイ・ガジェットもかなりオールドスタイル。
昨今の技術力がものをいうスパイものとは違い、スパイ本人の体力や戦闘力、知力、環境適応力、人間的魅力などにより、作戦の成果に影響が出ます。

そんな状況下で、ナポレオン・ソロやイリヤたちは、お互いに相手を出し抜こうとしつつも、なんだかんだで協力し合い、ミッションを成し遂げていく様子は、スパイものとしてのドキドキワクワクを十分味わわせてくれます。

また、ギャビー役のアリシア・ヴィキャンデル、悪の組織の女ボス役のエリザベス・デビッキが身につける60年代ファッションの数々が、なんともキュートでゴージャス！
まるで昔の雑誌からそのまま飛び出してきたような完成されたコーディネート、見ているだけで楽しくなります。

しかも、舞台は風光明媚なローマ。
美男美女たちが美しい古都で繰り広げる騙し合い、みているだけで大満足です。

軽快なテンポで見る人を楽しませる、スパイ・アクション映画として、男女問わず楽しめる素敵な一作。
デートムービーにもぴったりかもしれません。