【映画レビュー】さまよう刃 / 방황하는 칼날
ごく普通の男性が、娘をレイプして殺した少年たちへの復讐の旅を描いた東野圭吾の小説「さまよう刃」。
かつて日本でも寺尾聰主演で映画化された本作が、韓国でチョン・ジニョン主演で映画化されました。
この韓国映画『さまよう刃』は、ローカライズされエピソードをはしょられてはいるものの、かなり原作に忠実に作られているように思いました。
うーん、韓国の犯罪映画ということで、ちょっと期待しすぎてしまったかな。。。
出来が悪いわけではもちろんないのですが、もっと突き抜けたものを期待してしまっていました。
まあ、娘を殺された父親の葛藤を、奇をてらわずにまっとうに描くと、こういう作品になるということなのかもしれません。
<STORY>
イ・サンヒョンは妻を亡くした後、娘のスジンと二人で暮らしていた。年頃のスジンは父親をうざったがり、その朝もむくれて登校していった。そして次の日、サンヒョンは遺体となったスジンと再会する。彼女は無惨にレイプされていた…。警察の捜査もなかなか進まない中、サンヒョンに匿名の電話が入る。サンヒョンは電話で教えられた家でスジンがレイプされている動画を発見する。ちょうど帰って来たレイプ犯を、サンヒョンは殺してしまう…。
<解説>
男で一つで育ててきた娘を、レイプされ、無惨に殺された父親。
なぜ娘が殺されなければならなかったのか…
なぜ娘を守ってやれなかったのか…
なぜ犯人たちは逃げおおせているのか…
そんな思いを抱き、無念さと無力さを噛み締めている父親が、ある匿名の情報提供者から、警察よりも早く犯人たちの教えられます。
犯人たちは未成年の少年グループで、逮捕したとしても厳罰を受けるわけではない。
そうであれば、自分が彼らに罰を下したい…。
そんな思いから、犯人たちを追う父親・サンヒョン。
そして、そんな父親・サンヒョンを、娘・スジンの事件を捜査していた刑事たちが、“容疑者”として追うことになるのです。
“被害者家族”から“容疑者”となったサンヒョンに、刑事たちは複雑な思いを抱きます。
本当の悪人は誰なのか、裁かれるべきは誰なのか。
サンヒョンが少年グループに下す“私刑”は、なぜ赦されないのか。
この作品は、観る者に少年法、刑法などについて、難しい課題を突き付けてくることでしょう。
個人的には、原作を読んだ時の衝撃を超えるほどではなかったような。
原作のインパクトが強過ぎたせいで、映画にじゃっかんの物足りなさを感じてしまったのでした。。。
『さまよう刃』(122分/韓国/2014年)
原題:방황하는 칼날
英題:Roving Edge
公開:2014年9月6日
配給:CJ Entertainment Japan
劇場:角川シネマ、ヒューマントラストシネマ渋谷にて
原作:東野圭吾
監督・脚本:イ・ジョンホ
出演:チョン・ジェヨン/イ・ソンミン/ソ・ジュニョン/イ・スビン/イ・ジュスン/チェ・サンウク/キム・ジヒョク
公式HP:http://samayouyaiba.net/
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