【映画レビュー】プレーンズ / Planes
大好きなピクサーの新作、「カーズ」シリーズのスピンオフ作品!
と楽しみに待っていた映画『プレーンズ』。
しかし、よくみてみるとこの作品、ピクサー製作じゃないではありませんか!
『カーズ』、『カーズ2』で監督を手がけたジョン・ラセターがストーリー原案・製作総指揮を担当してはいるものの、あくまでも『カーズ』とは別物のディズニートゥーン・スタジオ作品なのでした。
<STORY>
田舎町プロップウォッシュ・ジャンクションで農薬散布をしている飛行機のダスティは、夢だった世界一周レースへの参加権を獲得し、皆を驚かせる。海軍を引退した伝説の飛行教官である旧型戦闘機・スキッパーにコーチを依頼し、猛特訓を重ねるダスティ。しかし、致命的な欠点である高所恐怖症は治せないままだった。そして、世界一周レース。世界的なスターレーサーたちと共に、ダスティはスタート地点のニューヨークを飛び立った!
<解説>
inspired by”Cars” という形で、車ならぬ飛行機を擬人化した物語『プレーンズ』。
高所恐怖症の農薬散布用飛行機・ダスティが、レーサーを夢見て世界一周レースに参戦する物語です。
どんなに人から呆れられようと、夢を諦めることなく愚直なまでに頑張るダスティを中心に、ダスティを見守る地元の仲間達、世界一周レースに参加しているライバルたちとの友情や、彼の指導者である老いた旧型戦闘機・スキッパーが自分のトラウマを溶かしていく様子が描かれています。
主人公たちが翼を得たことで、『プレーンズ』の世界は『カーズ』よりもぐっと世界が広がっているように思います。
アメリカの田舎町プロップウォッシュ・ジャンクションの広大な畑の上空から、ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港へ、そこから北大西洋を横断してアイスランドへ、そしてドイツ、インド、ネパール、中国、メキシコと、ダスティたちは世界中を自らの機体一つで飛び回るのです。
参加するレースにもイギリス出身のブルドッグ、日本出身のサクラ、インド出身のイシャーニ、メキシコ出身のエル・チュパカブラなど、それぞれのお国柄を反映した飛行機たちが登場し、それはそれでなかなか楽しいのですが…。
ただまあ、世界が広がった分、物語が散漫になった印象も…。
どうせだったら、過去にトラウマを抱える老戦闘機・スキッパーと、若いダスティが彼のトラウマを溶かしていく疑似親子的な物語を中心に据えて描いた方が、もっとドラマティックになった気も。
もしくは、その部分を削ってしまって、個性豊かなキャラクターたちのレース模様を、もっとスピーディに、もっとワイルドに描いた方がエンターテインメント性は高まった気がします。
ジョン・ラセターが監督してピクサーがこの作品を作っていたら、どうなっていたのか…。
どうしてもそう思ってしまうのは、やはり人気シリーズに対する大きすぎる期待のせいなのでしょうか。
『プレーンズ』(92分/アメリカ/2013年)
原題:Planes
公開:2013年12月21日
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
劇場:全国にて
ストーリー原案・製作総指揮:ジョン・ラセター
ストーリー原案・監督:クレイ・ホール
ストーリー原案・脚本:ジェフリー・M・ハワード
声の出演:デイン・クック/ステイシー・キーチ/ブラッド・ギャレット/テリー・ハッチャー/ヴァル・キルマー/セドリック・ジ・エンターテイナー/ジュリア・ルイス=ドレイファス/ジョン・クリーズ/カルロス・アラズラキー/プリヤンカー・チョープラー/ロジャー・クレイグ・スミス/ガブリエル・イグレシアス/アンソニー・エドワーズ/シンバッド
公式HP:http://www.disney.co.jp/planes/
Walt Disney Records (2013-08-06)
売り上げランキング: 76,574
株式会社 ハゴロモ (2013-08-28)
売り上げランキング: 4,249
売り上げランキング: 4,792
売り上げランキング: 114
売り上げランキング: 9,521