【映画レビュー】パーフェクト・センス / PERFECT SENSE
ユアン・マクレガーがシェフを演じ、エヴァ・グリーンが感染症学者を演じた映画『パーフェクト・センス』。
イギリス映画らしく、感染症を克復しようとする“全体の物語”ではなく、病気を前にした“個人の物語”です。
映画ファンには『トレインスポッティング』でレントンを演じたユアン・マクレガーとスパッドを演じたユエン・ブレンナーが共演していたり、ユアン・マクレガーとその叔父のデニス・ローソンが共演しているというのも、注目ポイントなのではないでしょうか。
<STORY>
感染症学者のスーザンのもとに、急患がやって来た。彼は突然強い哀しみに襲われ泣き崩れた後に、嗅覚を失ったというのだ。同じ症状の患者は、各国で続出していた。原因不明のその症状は地球規模で広がり、“SOS”と名付けられた。その頃、スーザンは自宅近くのレストランシェフのマイケルと出会う。二人が食事を共にしている時、スーザンとマイケルは強い哀しみに襲われ、SOSを発症してしまう…。やがて、SOS患者に新たな症状が出始める。
<解説>
ここ最近、映画界ではどうも感染モノが多い気がします。
『コンテイジョン』しかり、『生きてるものはいないのか』、しかり…。
この映画、『パーフェクト・センス』も、原因不明の奇病が蔓延していく感染映画。
しかし、この作品が『コンテイジョン』と大きく違うのは、感染病にかかった人びとが、病に対して立ち向かおうとしない点です。
人びとは治療法を模索するのではなく、病を受け入れ、その状態でも快適に生活できるよう、対応していくのです。
これは、『コンテイジョン』を作ったアメリカ人監督、スティーブン・ソダーバーグと、この作品を作ったイギリス人監督、デイヴィッド・マッケンジーという、アメリカとヨーロッパの国民性の違いなのでしょうか。
気になるところです。
この病気、“SOS”にかかった患者は、ある時強い哀しみに襲われ、やがて嗅覚をなくしてしまいます。
その次に、急激な飢餓感に襲われ、手当り次第にものをむさぼり食った後、やがて味覚をなくしていきます。
だんだんと様々な感覚を失ってしまう人間たちの元に、残るのは何か。
その最後に残ったものを守るため、人に何ができるのか。
ある意味、究極の愛の物語なのかもしれません。
『パーフェクト・センス』(92分/イギリス/2011年)
原題:PERFECT SENSE
公開:2012年1月7日
配給:プレシディオ
劇場:新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開
監督:デイヴィッド・マッケンジー
出演:ユアン・マクレガー/エヴァ・グリーン/ユエン・ブレンナー/デニス・ローソン/スティーヴン・ディレイン/コニー・ニールセン
公式HP:http://www.perfectsense.jp
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