【映画レビュー】桜蘭高校ホスト部
原作もアニメもドラマも見ておらず、それほど期待する気もなく観に行った映画『桜蘭高校ホスト部』。
しかし、意外にもウェルメイドなハイテンション・コメディとして、なかなか楽しめる作品でした。
何よりもスゴいと思ったのは、ホスト部部長の須王環を演じる山本裕典と、ホスト部副部長の鳳鏡夜を演じる大東駿介の演技力。
山本裕典の演劇的なハイテンション演技と、大東駿介の映画的な静の演技で、しっかりと“場”が作られることで、“ホスト部”という非現実的な設定が、現実味を帯びてくるのです。
この二人がしっかりと脇を固めていることで、主役の藤岡ハルヒを演じる川口春奈がどんなに平坦な演技をしても、ちゃんと見られるものになっているのがスゴい。
やっぱり、舞台で鍛えている俳優さんはパワーがあるなあ。。。
山本裕典の作品を、もっと観てみたくなりました。
STORY
超セレブの子息たちが通う桜蘭高校。藤岡ハルヒはこの学園唯一の庶民で、女子なのに男のフリをして、美男子たちが女子をおもてなしする華麗なる遊戯集団・ホスト部に所属していた。年に一度のビッグイベント・桜蘭祭が迫り、部活対抗の桜蘭祭バトルにエントリーする。時を同じくして、超ワガママな美少女のミシェルという留学生がシンガポールからやって来る。彼女をお姫様のように扱うホスト部部長の須王環が、ハルヒは気がかりで…。
解説
超セレブ学園の桜蘭高校にて、麗しき美少年たちが暇つぶしに女子生徒たちをもてなすという、華麗なる遊戯集団・桜蘭ホスト部。
このホスト部にいる、学園唯一の貧乏人の特待生で、女子であることを隠して男装をしている藤岡ハルヒ(川口春奈)が、この物語の主人公です。
ホスト部の他のメンバーはというと…、ハイテンションな部長の須王環(山本裕典)に、クールな副部長の鳳鏡夜(大東駿介)、近親相姦BL的な雰囲気がウリの常陸院光(高木心平)、常陸院馨(高木万平)の双子の兄弟、ラブリーなハニー先輩こと埴之塚光邦(千葉雄大)、ワイルドなモリ先輩こと銛之塚崇(中村昌也)。
今回の映画では、学園祭である桜蘭祭の名物である“桜蘭バトル”と、シンガポールからやって来たワガママ留学生、ミシェル・江梨華・モナール(篠田麻里子)をめぐる物語を描いています。
まあ、飛び出す文字やハートのキラキラなど、特殊効果いっぱいの映像でありますが、中盤は打って変わって“映画的”な映像演出も盛り込まれていたりして、初監督を務めたという韓哲のこだわりなども垣間見えます。
前半の伏線やネタも、後半でキッチリ回収しているところもなかなか。
ストーリーやオチに関しては、もともと作品のファン向け、若い婦女子向けのものということで、まあ、あまり言及すべきことはありませんが…。
大人の映画ファンにとっては、芸達者な若手俳優たちの演技を見て、彼らの演技力を知るだけでも、見応えはあるのではないでしょうか。
若いイケメンたちが、のびのびと演技を楽しんでいる姿を見るだけでも、なかなか楽しいものです。
作品情報
『桜蘭高校ホスト部』(105分/日本/2012年)
公開:2012年3月17日
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
劇場:新宿ピカデリーほか全国にて
原作:葉鳥ビスコ
監督:韓哲
出演:川口春奈/山本裕典/大東駿介/竜星涼/中村昌也/千葉雄大/高木心平/高木万平/篠田麻里子/ニックン(2PM)/市川知宏/菊田大輔/鈴木勝大/小川ももえ/広村美つ美/東亜優/清野菜名/nicola/戸次重幸/鈴木亜美/清水昭博/杉咲花/板東晴/升毅/江波杏子/財前直見/石井萌々果/カロリナ/阿部真里/楠美聖寿/駿河太郎
公式HP:http://www.tbs.co.jp/ouran_movie/
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