【映画レビュー】シャーロック・ホームズ／ Sherlock Holmes

2010/2/15 外国映画さ行, 映画レビュー

アーサー・コナン・ドイルが考え出した世界一有名な名探偵、シャーロック・ホームズ。

彼を描いた映画『シャーロック・ホームズ』がいよいよ3月12日に日本で公開されます。

ガイ・リッチー監督が描く、ロバート・ダウニー・Jr扮するシャーロック・ホームズはかなりの肉体派。
かなりのマッチョで飛んだり跳ねたりぶら下がったり大活躍ですが、どんな些細な証拠も見逃さない、その鋭い観察眼は健在です。

でも、“アームチェア・ディテクティブ”っていうイメージとはちょっとかけ離れているかなあ。。。

ちなみに、ホームズの名相棒のワトソンくんは、世紀の二枚目俳優ジュード・ロウが演じています。

＜STORY＞
1890年、黒魔術で5人の女性を殺害した連続殺人犯が、ロンドン市民の安全を脅かしていた。探偵シャーロック・ホームズとその相棒のワトソンがある館に侵入し、黒魔術の主・ブラックウッド卿を捕まえ、ロンドン警視庁のレストレード警部に引き渡す。事件は解決したかにみえたが、ロンドンでは怪しい出来事が次々に起こり始めた…。その頃、ホームズは相棒のワトソン医師から結婚を機にコンビを解消したいと言われ、沈んでいた。

＜解説＞
幼い頃、子ども向けの推理小説にハマり、「怪人二十面相シリーズ」や「シャーロック・ホームズシリーズ」などを図書館で借りては読み漁っていた私。「まだらのひも」とかね。

そんなわけで、「シャーロック・ホームズ」と言えば、コナン・ドイルの小説でしょう…、と、思い込んでいました。

でも、この映画の原案者はライオネル・ヴィグラムとなっています。
どうやら、映画プロデューサーのライオネル・ヴィグラムがホームズを主役にしたコミックを制作し、そのコミックを映画化した、ということのようです。

メイン・キャラクターは引き継ぎつつも、オリジナル・ストーリーで展開していく、ということなのでしょう。

今回のホームズ氏は筋骨隆々の肉体派。
拳闘や剣戟にも優れており、射撃もうまく、反射神経も素晴らしい。
もちろん観察力や分析力、薬品や爆薬に対する知識も豊富、という、これだけ聞いたら非の内どころのない人間です。

でも、人間に興味がなく、空気が読めず、人の気持ちを逆なでするようなことばかり言い、服装や身の回りに気を配らないし、基本的な生活をまともに送るだけの生活力ががない…。

こういう人こそ、しっかりした女性と早く結婚して落ち着いた生活を送ればいいのですが、基本的に女嫌いと来ている。
唯一気を許している（むしろ積極的に惚れている）女性、アイリーン・アドラーは、日本で言うと峰不二子のような女性で、金のためならホームズを陥れることも辞さない、という…。

そんなホームズだからこそ、ワトソンに依存し、ワトソンがいないと生きていけないということになるわけです。
ワトソンは散々ホームズに迷惑をかけられつつも、そんなホームズを許してきたけれど、結婚を機にホームズから離れて行こうとする…。
ホームズは、ワトソンを自分から奪おうとする女性、メリーが許せず、メリーに意地悪をして、ますますワトソンから嫌われる…。

ワトソンのことが大好きなくせに、うまく言えないホームズが、小学生の男の子みたいでなんだか可愛いです。

そんな可愛い男の子ふたりがロンドンで起こる猟奇事件の真相を解明していく『シャーロック・ホームズ』、なかなか楽しい映画です。

ガイ・リッチー監督の演出はテンポが良く、冒頭の格闘シーンから観客をグイグイ引き込みます。
最初の格闘シーンだけでホームズの並はずれた視力・聴力を駆使した観察眼、そしてそれを実践に活かすための分析力、そして実際に一撃必殺で相手を倒す攻撃力を表現してしまうなんて、本当に「うまいなー」と感心してしまいました。

基本的に男の映画であるこの作品、やんちゃな男の子たちがノリノリで作った活劇映画、という感じです。
元男の子も、元女の子も、無邪気に楽しめるエンタテインメント作品でした！

＜関連作レビュー＞
■映画『シャーロック・ホームズ　シャドウゲーム』：http://c-movie.jp/review/sherlockholmes2/

『シャーロック・ホームズ』（129分／アメリカ／2009年）
原題：Sherlock Holmes
公開：2010年3月12日
配給：ワーナー・ブラザース映画
劇場：丸の内ルーブルほか全国にて
監督：ガイ・リッチー
出演：ロバート・ダウニー・Jr／ジュード・ロウ／レイチェル・マクアダムス／マーク・ストロング／ケリー・ライリー／ジェラルディン・ジェームズ
公式HP：http://www.sherlockholmes-movie.jp