娚(おとこ)の一生
“娚”。
この漢字、音読みで「ネン」「ダン」「ナン」、訓読みで「のう」「めおと」と読むそうです。
なぜこの映画『娚(おとこ)の一生』はこの漢字を使っているのか、なぜこのタイトルなのか…。
原作も読んだんですが、特に説明がありませんでした。
うーん、男のような女の一生、ということ?
男と女の一生、ということ?
女と男が出会って、それからの一生、ということ?
多分、そのどれでもあるような気がしますね。。。
<STORY>
東京での暮らしに疲れ、田舎の祖母の家で暮らし始めた堂薗つぐみ。入院していた祖母が亡くなりひとりぼっちになったある日、祖母の家の離れから彼はかつての祖母の教え子だったという50代の男、海江田醇が現れる。いつでも好きに使っていいと離れの鍵を預かっていたという。強引に離れで暮らし始めた海江田は、やがてつぐみと母屋で一緒に食事をするように。海江田に自分を大切にしていないと叱られたつぐみは、彼を男として意識し始め…。
<解説>
都会で男以上にバリバリ働いていたキャリアウーマンが、不倫や仕事につかれ、田舎に帰る。
そこで、“そのままの自分”を愛してくれる人に言いよられ、やがて結婚する…。
そんな“よくある話”を描いた西炯子の同名コミックスを『余命1ヶ月の花嫁』の廣木隆一監督が映画化した本作。
プロット自体はよくある話ではありますが、ディテールはかなり凝っています。
本作の主人公・つぐみが出会うのは、かつてつぐみの祖母に恋をしていたという、50代の大学教授。
そんな地位も名誉もある男性が、年甲斐もなく「恋をしてしまった」と自分に迫ってくるのです。
失うものも何もなく勢いだけで突っ走る若い男ではなく、充分に理性と知性を持っているそんな年上男性が、そんな理性を忘れて自分に迫ってくるなんて…、ある意味、妙齢の女性にとっては年下男性にモテることより、うれしいことかもしれません。
しかも、豊川悦司演じるこの大学教授、ずうずうしく押しが強く、さらに京都弁。
つかみどころもなく、反論を柳のように受け流し、するりと女性の懐に入ってきます。
こういう“知性があって一枚上手な年上男性”が自分だけに子どもっぽく甘えてみせたりするなんて、妙齢女性としては落ちないわけがないじゃないですか。。。
主人公のつぐみを演じているのは1988年生まれで27歳の榮倉奈々なので、妙齢というには多少早いのですが、この作品『娚(おとこ)の一生』は、まさにアラサー、アラフォーの妙齢女性のファンタジーをそのまま映画化した物語と言えるでしょう。
それにしても、トヨエツのロマンスグレーと京都弁、なんとも素敵過ぎます。
彼と比べたら、つぐみの不倫相手役の向井理も、小僧にしか見えません。
あんな大学教授、どこかに落ちてないかしら。。。
『娚(おとこ)の一生』(118分/日本/2015年)
公開:2015年2月14日
配給:ショウゲート
劇場:全国にて
原作:西炯子
監督:廣木隆一
脚本:斉藤ひろし
音楽:遠藤浩二
出演:榮倉奈々/豊川悦司/安藤サクラ/前野朋哉/落合モトキ/根岸季衣/濱田マリ/徳井優/木野花/向井理/坂口健太郎/美波/岩佐真悠子/紺野千春/朝倉えりか/若林瑠海
Official Website:http://otokonoissyou-movie.jp/
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