【映画レビュー】オブリビオン / Oblivion
デビュー作の『トロン:レガシー』が大コケし、今後の活動がじゃっかん危ぶまれてもいた映画監督、ジョセフ・コシンスキー。
このジョセフ・コシンスキー監督が自身で原案を手がけ、大スターのトム・クルーズを起用した映画『オブリビオン』。
『2001年宇宙の旅』や「マトリックス」シリーズを思わせるようなこの作品、どこか既視感に満ちてはいるのですが、その壮大な世界観や美術も美しい、哲学的なSF大作。
2013年4月13日に米国で公開されましたが、無事ヒットを記録しているようで…。
ジョセフ・コシンスキー、ビッグバジェット作品が二回も続けてコケないで良かったね…と、ちょっとホッとしましたね。
STORY
2077年、スカヴというエイリアンが地球を攻撃し、人類は他の惑星に移住する。壊滅した地球には、ジャック・ハーパーと妻のヴィクトリアの二人だけが残り、地球偵察のための無人偵察機・ドローンを管理していた。ジャックたちの地球での任期があと二週間に迫った時、ジャックは飛行物体が地球に落ちるのを目撃。救出に行った彼は、コールドスリープ状態の女性を発見する。彼女の顔は、ジャックが何度も夢で見る女性とそっくりだった…。
解説
本作『オブリビオン』の舞台は、2077年。
エイリアンの攻撃を受けて壊滅した未来の地球で、機密保全のため記憶を消され、地球の無人監視機をメンテナンスするという任務をしている男の物語です。
主人公のジャック(トム・クルーズ)は、愛する妻・ヴィクトリア(アンドレア・ライズボロー)と二人きり、優雅で絶景の楽しめる天上のスカイタワーに暮らしていながら、彼はなぜかある女性の夢をたびたび見ています。
会ったこともない女性なのに、なぜそんなに夢に出てくるのか…。
しかし彼は、地球に墜落してきた飛行物体の中で、その女性とそっくりなジュリア(オルガ・キュリレンコ)という女性が眠っているのを見つけます。
そして、謎の男・ビーチ(モーガン・フリーマン)に拉致され、意外なことを聞かされます。
そして、ジュリア、ビーチとの出会いにより、隠されていた真実に気がつくようになるのです。
『2001年宇宙の旅』のような白とグレーを基調にしたスカイタワー内のインテリアや、“隠されていた大きな真実”に主人公が気付いていく「マトリックス」シリーズのような展開など、どこかで観た感じはあるのですが、凝りに凝った美術や美しい世界観が、ただの“二番煎じ”には終わらせないパワーを持っています。
ジャックたちが暮らす建物のスカイタワー、ヘリコプターと戦闘機を掛け合わせたようなバブルシップ、無人偵察機のドローンなどの未来の世界の技術と、朽ち果てたスタジアム、灰燼に埋もれたエンパイア・ステート・ビルなどの荒廃した地球の映像も、なかなか衝撃的。
映像的に見どころの多い作品なので、できるだけ大きなスクリーンで観た方が、その雄大さを楽しめることでしょう。
別コラム
作品情報
『オブリビオン』(124分/アメリカ/2013年)
原題:Oblivion
公開:2013年5月31日
配給:東宝東和
劇場:TOHOシネマズ日劇ほか全国にて
原作・製作・監督:ジョセフ・コシンスキー
脚本:ウィリアム・モナハン
出演:トム・クルーズ/モーガン・フリーマン/オルガ・キュリレンコ/アンドレア・ライズボロー/ニコライ・コスター=ワルドー/メリッサ・レオ/ゾーイ・ベル/アビゲイル・ロウ/イザベル・ロウ/デイヴィッド・マディソン/フィリーナ・バリス/ジェームズ・ローリングス/アンドリュー・ブレランド/ジョーダン・サダス/ジェームズ・リッカー/ポール・グナワン/Z・ディートリッヒ/デイロン・マイカ・オセロ/ジェイ・オリヴァー/ジョヴァンニ・シルヴァ/ジェイレン・ムーア/キャサリン・キム・プン/ジェイソン・スタンリー/ジョン・L・アルミホ/ジェレミー・サンド/ジョアン・バリス/エフライエム・ハンナ/ブック・オコネル/ライアン・チェイス・リー/ジュリー・ハーディン/フィリップ・オダンゴ/リンゼイ・クリフト
公式HP:http://oblivion-movie.jp/
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