【映画レビュー】ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密 ／ Night at the Museum: Secret of the Tomb

ニューヨークにある自然史博物館の展示物たちが、夜な夜な動き出す！
そんな、まさに子どもの夢を映像化したような人気の「ナイト ミュージアム」シリーズもいよいよ映画化第3弾。

本作『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』では、前作のスミソニアン博物館からさらに国を越え、大英博物館の展示物まで動き出します。
トケラトプスの骨格標本や中国の怪物・ソウリュウなどに襲われ、円卓の騎士の一人、サー・ランスロットと博物館内を歩き、さらには街中であの大物俳優“X”に遭遇し…。

第3弾の本作も、お楽しみたっぷりで観客を驚かせ楽しませてくれる、楽しいエンターテインメント作品です。

ラリーはニューヨークのアメリカ自然史博物館の夜警。ある時、古代エジプトのファラオ、アクメンラーの石板が変色し、展示物の仲間たちに異変が起こり始める。石板の秘密を知るアクメンラーの父、マレンカレがイギリスの大英博物館に収蔵されていると知り、ラリーと息子のニッキーは、博物館の仲間たちと夜の大英博物館に忍び込む。そこでは、トリケラトプスの骨格標本や中国の怪物・ソウリュウら、新たな仲間たちが大暴れを始めていた。

「博物館の展示物が、夜な夜な動いていたらどんな感じなんだろう？」
という、子どもの夢のような物語を、リアルに映像化して見せた映画「ナイト ミュージアム」シリーズも、いよいよ第3弾。

ニューヨークのアメリカ自然史博物館、ワシントンD.C.のスミソニアン博物館に続き、今度は海を飛び越えて、イギリスの大英博物館の仲間たちが動き出します。
ここで動き出すのは、“円卓の騎士”サー・ランスロットやパルテノン彫像、インド神話に登場する神鳥ガルーダに、トリケラトプスの骨格標本や中国の怪物・ソウリュウ。

さらには街に飛び出して、トラファルガー広場のライオン像まで動き出してしまったり、ある大物俳優“X”までカメオ出演してしまったり…。

また本作では、その石板が作られたきっかけや、その石板が発掘された物語まで知ることができるのです。
このシリーズの基本テーマは、“父と子の絆”。
そのテーマにぴったりの石板の秘密が明かされるのでした。

さて、シリーズ最終章を謳うこの作品ですが、今回新たに登場した大英博物館の夜警を担当している女性職員ティリーがかなりいい味を出しています。
大英博物館の夜警はどうもヒマらしく、妄想だらけで機関銃のようによくしゃべるティリーを演じるレベル・ウィルソン、ベン・スティラーにまったくひけをとらないキュートなコメディエンヌぶりを発揮。
女性の登場の少ないこの物語に、新たな色を加えています。
彼女が、このシリーズの新たな扉を開くんじゃなかろうか…なんて、妄想したくなったりしてしまいますね。

今回もハラハラドキドキ、笑わせ楽しませてくれたこの物語、最後に「魔法は終わらない」という素敵なメッセージが流れます。
この作品にちょっとした毒味を加えていたミッキー・ルーニー、そしてラリーを父親のように見守っていたルーズベルト大統領を演じていたロビン・ウィリアムズ…。
なんだか、映画を楽しんで大笑いした後に、二人の偉大な俳優の死を思い出し、ちょっとホロリと。

『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』、いろんな感情を味わわせてくれる、素敵な作品でした。