マリリン 7日間の恋 / My Week With Marilyn
過剰すぎる魅力を持っているが故に、人びとから過剰すぎる愛を向けられた、それにも関わらず自分の持つ過剰すぎる愛を受け止めてくれる人がいないことにに苦しむ女性、マリリン・モンローをミシェル・ウィリアムズが演じた映画『マリリン 7日間の恋』。
決して顔自体が似ているわけではないけれど、マリリンの危うさや愛らしさを見事に表現しているミシェル・ウィリアムズの演技に、思わず釘付けになりました。
あんなに可愛らしくて無防備な子どものような表情をされたら、それは世間知らずで育ちの良い男の子は好きになっちゃうよねーと思わずにいられません。
個人的には、この作品のミシェル・ウィリアムズがアカデミー主演女優賞を取るのではないかと思っていたりしますが、はてさて、どうなるか…。
<STORY>
1957年、23歳のコリン・クラークは、ローレンス・オリヴィエの事務所で働き始め、ローレンス・オリヴィエ監督、マリリン・モンロー製作・主演の映画『王子と踊子』で第3助監督を務めることに。撮影では、演劇出身のオリヴィエとメソッド演技を勉強しているマリリンは何かにつけて衝突。マリリンの見張り役となったコリンは、マリリンの弱さを間近で見ることに。マリリンはコリンに心を許し、コリンも彼女への恋心を募らせていく…。
<Cheeseの解説>
ローレンス・オリヴィエ監督、マリリン・モンロー製作・主演の映画『王子と踊子』で第3助監督を務めた青年、コリン・クラークの自伝「My Week With Marilyn(マリリン 7日間の恋)」を映画化した本作。
ハリウッドから完全アウェイなイギリスにやって来て、理解者を得られず、四面楚歌で弱って行くマリリン・モンローが、偶然会うこととなった育ちの良い青年に、7日間だけのつかの間の恋をする様子を描いています。
マリリン・モンローのまわりには、彼女を“商品”として腫れ物のように扱ったり、“セックス・シンボル”として好奇の目で見たりという、マリリンを人間と思っていないような人間ばかり。
彼女が不安定になって荒れても、薬を与えるだけだったり、褒め上げるだけだったり、呆れてみせるだけだったり…。
マリリンが本当に欲しいと思っている純粋な“愛情”を与えてくれる人はいませんでした。
そんな状況の中でであったのが、映画界に入ったばかりですれていない青年コリン。
もともと上流階級の出身で、育ちもよく、有名人に物怖じしたりしない彼は、マリリンを優しくエスコートします。
普通のガールフレンドのように、自分をデートに連れ出してくれるコリンに惹かれ、無邪気に彼に全身を預けてくる彼女にコリンが夢中になってしまうまで、時間はかかりませんでした。
純粋な憧れの目で自分を見てくれて、自分に敬意をもって扱ってくれる優しく若い男性。
しかも、普段はイギリスで生活していて、自分の周りには7日間しかいない…。
そういう状況も、さらにマリリンをコリンに傾倒させたのだと思います。
さて、このミシェル・ウィリアムスが演じるマリリン・モンロー、“スター”としてのタレントを充分に見せてくれます。
特に、記者たちに囲まれての茶目っ気たっぷりな応答や、男子学生たちに囲まれた時に見せるセクシーでキュートな振る舞いなど、“スター”マリリン・モンローの過剰なタレントが伝わってきました。
過剰な魅力を持っているがために、“女優”であることよりも“スター”であることを求められたマリリン・モンローの悲劇は、そこにも原因があるのかもしれませんね。
『マリリン 7日間の恋』(100分/イギリス=アメリカ/2011年)
原題:My Week with Marilyn
公開:2012年3月24日
配給:角川映画
劇場:角川シネマ有楽町ほか全国にて
原作:コリン・クラーク
監督:サイモン・カーティス
出演:ミシェル・ウィリアムズ/ケネス・ブラナー/エディ・レッドメイン/ドミニク・クーパー/ジュリア・オーモンド/エマ・ワトソン/ジュディ・デンチ/ゾーイ・ワナメイカー
公式HP:http://marilyn-7days-love.jp/
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