【映画レビュー】もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら
あの大ベストセラー書籍「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら」を秋元康が総合プロデュースし、AKB48の前田敦子主演で映画化した『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』。
さすが、“マネジメント”を題材にしているだけあって、きっちりと目標を設定し、顧客を定義し、マーケティングのもとに作られている作品だと思います。
<STORY>
入院した親友の夕紀に代わり、川島みなみは程久保高校野球部のマネージャーになる。立派なマネージャーになり、彼らを甲子園に連れて行こうと思うみなみだが、程高野球部は万年一回戦敗退の弱小チームだった。書店でマネージャーになるための参考書を探していたみなみは、世界中のマネージャーが読んでいるP.F.ドラッカーの「マネジメント」を勧められた。みなみは、ドラッガーの理論に基づき、野球部のマネジメントを始めてみる。
<解説>
1909年生まれの経営思想家、ピーター・F・ドラッカーが1974年に著した「マネジメントー課題、責任、実践」。
この本にはマネジメントが果たすべき使命と責任、取り組むべき仕事と役割、目指すべき戦略について、具体的に解説されています。
主人公のみなみは、この「マネジメントー課題、責任、実践」のエッセンスを初心者向けに一冊にまとめた「マネジメント[エッセンシャル版] – 基本と原則」に出会い、この本を参考に、野球部をマネジメントしていくのです。
この映画の中で、みなみは「野球部の顧客は誰か」「野球部の目的は何か」と考えて“野球部を定義”し、“マーケティング”を行って顧客の現実、欲求、価値を知ります。
そして、マーケティングの結果をフィードバックさせて顧客のモチベーションを上げ、それぞれの顧客の強みを発揮させます。
さらに、ある戦略を取ることにより、高校野球の戦略に“イノベーション”をもたらしていくのです。
この映画『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』も、がっちりと“顧客を定義”し、“マーケティング”の結果作られている作品だと思います。
主人公を演じるのは、AKB48の前田敦子。他にも、AKB48の峯岸みなみや、川口春奈といった若く可愛い女の子がセーラー服姿やパジャマ姿で登場します。
野球部員としては、瀬戸康史、池松壮亮、鈴木裕樹らの若手イケメン俳優が多数登場。爽やかなスポーツマンぶりを見せてくれます。
美少女や若手イケメンが“甲子園出場”という目標を達成するために、汗を流しながら努力し、成長していく姿は、やはり感動を呼ぶもの。
そこに、さらに“友情”、“難病との闘病”、“主人公の再起”などの感動要素もきっちり盛り込まれ、観客の涙腺を刺激します。
この映画の“顧客”と定義されている層には、きっちりと響くのではないでしょうか。
まあ、個人的な感想を言えば、野球部員の男の子たちが日に日に日焼けし真っ黒になっていくのに、前田敦子と峯岸みなみが一切日焼けせず汗もかかず、髪型も一筋も乱れないのには、どうしても違和感を感じてしまいましたが、多分、この映画の顧客(と定義された層)は“日焼けして汗でドロドロになったあっちゃん”の姿は求めていないのだろうなと。
あと、高校野球の物語なのに、社会人野球のメンバーじゃないかと思ってしまう選手が、敵チームにけっこういたような。。。
『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(125分/日本/2011年)
公開:2011年6月4日
配給:東宝
劇場:全国にて
原作:岩崎夏海
総合プロデュース:秋元康
監督:田中誠
出演:前田敦子/瀬戸康史/峯岸みなみ/池松壮亮/川口春奈/大泉洋/西田尚美/青木さやか/石塚英彦/鈴木裕樹
公式HP:http://www.moshidora-movie.jp/
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