【映画レビュー】LUCY／ルーシー／ Lucy

2014/7/24 外国映画ら行, 映画レビュー

スカーレット・ヨハンソンを主演に迎え、久しぶりにリュック・ベッソンが監督としてメガホンを取った映画『LUCY／ルーシー』。

リュック・ベッソンにしては、というのもなんだかおかしいですが、なかなか哲学的かつ実存的的な内容だったるもしています。

とはいえ、ヨーロッパ・コープ作品らしい『TAXi』的なカーアクション、『トランスポーター』的な無双アクションなど、ベッソン節も健在。
真面目なのか不真面目なのかわからない、不思議な味わいを感じさせてくれます。

まあ、個人的には観終わった後に、なぜか『魔法少女まどか☆マギカ』を思い出したりもしたんですけどね。
リュック・ベッソン、久しぶりになんだかちょっと賢そうなことをやりたくなっちゃったのかしら。。。

＜STORY＞
留学生のルーシーは、台北のホテルで韓国人マフィアの取引に巻き込まれ、体内にある物質を埋め込まれてしまう。しかし、その物質が体内で漏れ出して吸収された時、彼女の脳に異変が現れる。彼女の脳はだんだんと覚醒し、通常の10％から20％、30％へとその機能の範囲をどんどん広げていく。脳科学者・ノーマン博士にコンタクトを取ったルーシーは、博士のいるパリを訪れる。しかし、マフィアも彼女と体内の物質を追い、パリへやって来ていた…。

＜解説＞
胎児を成長させる物質を体内から多量に摂取した女性・ルーシーの変化を描く映画『LUCY／ルーシー』。

その物質を摂取することにより、脳の機能を覚醒させていくルーシーは、だんだんとその能力を開花させていきます。
20％の覚醒により、格闘にも強くなり、彼女は一時間で外国語をマスターし、自由に電話回線やネットワークに侵入できるようになります。
さらに30％の覚醒で、自分の細胞のコントロールも可能になります。ブロンドのショートヘアを一瞬で黒髪のロングヘアに変化させることもできるように。
自分だけではなく他人をも自由に動かせるようになり、サイコキネシスのような能力を使って他人を倒したり宙に浮かせたり、自由自在に操れるようになるのです。
そして車の運転もしたことがないはずなのに、スーパーテクニックでパリの道路を逆走。何があってもかすり傷ひとつ負いません。

そんなルーシーを見守るのは、モーガン・フリーマン演じる脳科学者のノーマン博士。
たった一人で未知の領域に達しようとしていく彼女を見守り、人間の脳の持つ力を解明しようとするのです。
でもまあ、韓国マフィアが取引しようとしていたある物質、その物質を生産して他の人間に摂取させれば、ルーシーと同じような人類をもっと多く作り出せるんだから、そこまでルーシー一人が頑張る必要もなかったのではないかと思ったりもするんですけどね。。。

まあ、この映画自体、どこか「人間の脳の能力が100％活用できるようになったら、一体どんなことになるんだ？　しかも、それがスカーレット・ヨハンソンみたいな美女だったら最高じゃね？」というような、リュック・ベッソンの思いつきからできたような部分がありますし、そういうツッコミを避けるために、その物質を持っていたのが素性のわからない韓国マフィアだという設定にしていたのかもしれませんが。

久しぶりの監督作で、ちょっと張り切っちゃったらしいリュック・ベッソンが贈る映画『LUCY／ルーシー』。
赤い髪の美女は出てきませんが、サイボーグのような美女の人間離れした活躍を存分に味わえる、リュック・ベッソンの新たな一面を知ることができるような一作です。

『LUCY／ルーシー』（89分／フランス／2014年）
原題：Lucy
公開：2014年8月29日
配給：東宝東和
劇場：TOHOシネマズ日本橋ほか全国にて
製作・監督・脚本：リュック・ベッソン
製作：クリストフ・ランバート
撮影：ティエリー・アルボガスト
プロダクション・デザイン：ユーグ・ティサンディエ
音楽：エリック・セラ
出演：スカーレット・ヨハンソン／モーガン・フリーマン／アナリー・ティプトン／チェ・ミンシク／アムール・ワケド／ジュリアン・リンド＝タット／ピルー・アスベック
公式HP：http://lucymovie.jp/