【映画レビュー】ライアー×ライアー
マンガだとまあ納得できる展開も、それが質量のある人間が演じ、動きや音声、香りなどもある3次元の世界での実写になると「さすがに、その展開には無理があるだろ、どう見ても……」と感じてしまうことはあるもの。
そんなどう見ても実写には無理のある設定を、キャラクターの魅力で“なんとか行ける”というラインまで持ってきているのがこの映画『ライアー×ライアー』です。
SixTONESの松村北斗に森七菜という、今もっとも旬な二人を主演に据え、運命の恋をコミカルに描く本作。
「親が再婚して、クールなツンデレイケメン男子と義理のきょうだいになっちゃった!」という少女向けコミックスあるあるな設定を、そのまま楽しんでしまいましょう。
STORY
小学生の頃に親が再婚し、同い年の男の子・透と姉弟となった湊。大学生となった今は透と湊は同じ大学に通っているものの、お互いに冷たい態度をとっている。ある日、友人の依頼で女子高生の制服にギャルメイク姿で渋谷に行った湊は偶然に透と会い、つい「みな」という名前だと嘘をついてしまう。透はそんなみなに猛アプローチをかけてきた。湊には見せない甘い笑顔をみなに見せる透に、いつしかキュンとしてしまう湊だが……。
解説
親の再婚で姉弟となった湊と透。
思春期に入り、お互いに素直になれず、同じ家に暮らしながらもよそよそしい態度を取り合ってきた二人。
しかし、つい湊が自分を別人だと自己紹介してしまったことから、二人の本当の心が明らかになっていく様子を描いています。
松村北斗演じる透は、普段は女癖の悪いクール系モテ男。そのイケメンさゆえに何人もの女子と同時に付き合いながらも、その中の誰にも本気にならないという、何を考えているかわからない男の子です。
対して、森七菜演じる湊は、恋愛経験ゼロ、普段はスッピン黒髪の地味系のお城好き女子。昔から弟の透のせいで女子たちから目の敵にされたり、透のせいで嫌な目にあってきたりもしています。
そんな湊が、茶髪のギャルメイクにミニスカートのJK姿で渋谷にいた時に、偶然にも透と遭遇し、猛アプローチをかけられて付き合うことになってしまいます。
皆と会っている時の透の姿は、まるで別人のよう。みなのために多くのセフレたちとも縁を切り、一途にみなのことを愛しています。
そんな透の姿に、湊は罪悪感を感じ、さらには彼のことが男性として気になるようになってしまうのです。。。
まあ、展開に関しては、冒頭からすべて予想通りに展開していくわけですが、個人的には、この作品は今を時めく若手俳優たちの魅力を楽しむ作品だと思っています。
松村北斗のクールな姿と、みなに対する恋するピュアで甘々な姿。このツンデレの落差よ。
そして森七菜の地味系黒髪姿と、ギャルメイク姿の別人ぶり。元の素材が整っている女優さんは、どんな姿も様になりますね。とはいえ、やっぱり清純派イメージの彼女としては、黒髪姿の方がしっくりくる気がしますが……。
他にも、Travis Japanの七五三掛龍也、そして小関裕太や堀田真由という若手俳優たちの登場も見逃せません。
コミックス原作のキュートなラブコメ映画として、ありえない設定のドラマをいかにリアルに映画化するか、その制作陣の努力を推察しながら楽しんでみるのもいいのではないでしょうか。
作品情報
『ライアー×ライアー』(117分/日本/2021年)
公開:2021年2月19日
配給:アスミック・エース
劇場:全国にて
原作:金田一蓮十郎「ライアー×ライアー」(講談社「KCデザート」刊)
監督:耶雲哉治
脚本:徳永友一
音楽:遠藤浩二
主題歌:SixTONES「僕が僕じゃないみたいだ」(Sony Music Labels)
出演:松村北斗/森七菜/小関裕太/堀田真由/七五三掛龍也/板橋駿谷/竹井亮介/相田翔子
Official Website:https://liarliar-movie.asmik-ace.co.jp/
関連商品
ジェイ・ストーム (2021-09-08T00:00:01Z)
¥
Rambling RECORDS (2021-02-12T00:00:01Z)
¥2,750
講談社 (2010-11-25T00:00:00.000Z)
¥462
(C) 2021『ライアー×ライアー』製作委員会 (C)金田一蓮十郎/講談社