【映画レビュー】遠距離恋愛彼女の決断／ Going The Distance

2010/9/25 外国映画あ行, 映画レビュー

「ドリューのロマコメ作品にハズレなし！」
相変わらずキュートなドリュー・バリモア主演のロマンティック・コメディ、『遠距離恋愛彼女の決断』。

まあ、タイトルはちょっと微妙ですが、現実にも恋人同士だったドリュー・バリモアとジャスティン・ロングが、息の合った掛け合いを見せてくれます。

ドリューの姉や姪、ジャスティンの友人ら、脇役陣もナイス！
芸達者なコメディアンたちが揃っています。

映画や音楽に対するコネタの数々にくすりと笑え、細かい伏線や小ネタが最後まで上手に活かされており、なかなかの手練れ作品だと思います。
意外とデート・ムービーなんかにも使えそう。。。

＜STORY＞
サンフランシスコからニューヨークの新聞社へインターンに来ていたエリンは、バーで会ったギャレットと意気投合し、一夜を共にする。6週間後にサンフランシスコに戻るエリンは、ニューヨークにいる間だけのつもりでギャレットと付き合うことにした。しかし6週間後、別れることができず、ふたりは遠距離恋愛の関係に。大学を卒業後、ニューヨークで就職するつもりのエリンだったが、サンフランシスコの新聞社から内定がおり…。

＜解説＞

遠距離恋愛の末、大学を中退して恋人の元に走ったものの、結局うまくいかなかった過去を持つ31歳の大学生・エリン。彼女は、サンフランシスコの大学に再入学し、新聞記者になりたいという夢を持ってニューヨークの新聞社にインターンで研修に来ている女性です。
そんな彼女と恋に落ちるのは、音楽業界でアーティスト育成などの仕事をしているものの、自分が育てたいアーティストではなく、つまらない売れ線バンドの担当をさせられているギャレット。

アラサーのふたりは、“自分のやりたい仕事”への夢と希望もあるものの、なかなかうまくいかない現実にいらだっていたりもします。
うまくいかないからこそ、相手が夢をかなえるチャンスに邪魔はしたくない…。
そんな理性と、相手を恋しく思う感情とがなかなかうまく折り合わず、葛藤するふたりの物語。

キャリアと恋、どちらを選ぶべきなのか…。

なかなか思う通りの就職や仕事ができない現代、この二人の葛藤には共感できるひとが多いのではないでしょうか。

なんて書くと、ちょっと固いストーリーのように思われるかもしれませんが、実はぜんっぜん固い話なんかじゃありません。
エリンとギャレットの恋愛シーンは可愛くもあり、面白くもあり。
やはり実際の元？恋人同士ってこともあり、ふたりの息もかなり合っていて、「ここまでやるか!?」と、思わず声を上げて笑ってしまうシーンも多数。
特に食卓での×××シーンとかね…。しかも、そのシーンがさらに他のシーンの伏線になっていたりして。

ギャレットが『トップガン』オタクだったり、『ショーシャンクの空に』のモノマネで二人が盛り上がったり、ビースティ・ボーイズの1stアルバムに関するトークがあったり…。
映画愛や音楽愛、リスペクトが溢れているのも、映画ファンや音楽ファンなら思わずニヤリとしてしまうはず。

さらに、この映画のコメディ部分を盛り上げるのは、ギャレットの親友、ダンとボックスのふたり。
男三人でうだつの上がらない感じで飲んだくれている感じが、なんだかとてもリアリティを感じさせます。
この三人の誰かが結婚する時には『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』のようなことが起こったりしても不思議じゃない…。
けっしてイケてはないんだけど、「男同士の友情って面白そう」と思わせてくれる、ナイス脇役なのでした。

でも、もし彼の家にあんなルームメイトがいて、リアルDJされた日には…、私ならドン引きだな。

『遠距離恋愛彼女の決断』（93分／アメリカ／2010年）
原題：Going The Distance
公開：2010年10月23日
配給：ワーナー・ブラザース映画
劇場：ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国にて
監督：ナネット・バースタイン
出演：ドリュー・バリモア／ジャスティン・ロング／チャーリー・デイ／ジェイソン・サダイキス／クリスティナ・アップルゲイト／ジム・ガフィガン／ロン・リヴィングストン
公式HP：http://www.enren.jp