【映画レビュー】レ・ミゼラブル / Les Misérables
ロンドンで1985年に初演されて以来、今なおロングラン記録を更新しているミュージカル、「レ・ミゼラブル」。
ヴィクトル・ユーゴーの原作小説をクロード=ミシェル・シェーンベルクが作・脚本・作曲を手がけたこのミュージカルをトム・フーパー監督が映画化したのがこの映画『レ・ミゼラブル』です。
役者の肉声と、その表情、感情の揺れなどをはっきりとフィルムに焼き付けた、素晴らしい“ミュージカル映画”に仕上がっていると思います。
<STORY>
パンを盗んで19年服役し、仮釈放となったジャン・バルジャン。宿を借りた司教の家の銀器を盗んだ彼だったが、司教はバルジャンを許し、バルジャンは実も心も生まれ変わることを決意する。8年後、彼は名前を変えて市長になっていた。バルジャンはかつて自分の工場で働いていたフォンテーヌという娼婦と知りあい、彼女の娘・コゼットを里親から取り戻すと約束。しかし、過去を暴かれた彼は自分の正体を告白し、コゼットを連れて逃亡する…。
<解説>
通常、ミュージカル映画では、事前に歌声をレコーディングし、撮影時にはそのレコーディングされた歌声に合わせて演技を行うという撮影方法が一般的なのだそう。
しかし、本作では撮影時に実際に俳優たちが歌い、その歌声をそのまま録音してスクリーンに映し出しています。
しかも、カメラワークも独特で、歌っている俳優の表情を真っ正面から長回しで捕らえています。
役に没頭し、心を込めて歌っている俳優たちの表情、歌声、すべてをはっきりと写し取り、そのまま再生しているのです。
どの俳優たちの演技も歌声も素晴らしく、その歌を聴いているだけで涙が出そうになってしまいました。
特にアン・ハサウェイ演じるファンテーヌの「夢やぶれて(I Deramed a Dream)」は素晴らしかったです。
実は、アン・ハサウェイは母親が過去にファンテーヌを演じたことがあるそうで、この役にも思い入れがあるのだとか。
まさにその思い入れが演技に昇華した、素晴らしいシーンでした。
もちろん、アン・ハサウェイ以外にもヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アマンダ・サイフリッドの演技も素敵です。
この素晴らしい演技と歌声を堪能するため、ぜひ音響の良い大きなスクリーンで観ていただきたい一作です。
観終わった後は、きっと「民衆の歌(People’s Song)」を口ずさみたくなっていることと思います。。。
『レ・ミゼラブル』(158分/イギリス/2012年)
原題:Les Misérables
公開:2012年12月21日
配給:東宝東和
劇場:TOHOシネマズ日劇ほか全国にて
原作:ヴィクトル・ユーゴー
製作:キャメロン・マッキントッシュ
監督:トム・フーパー
作曲:クロード=ミシェル・シェーンベルク
出演:ヒュー・ジャックマン/ラッセル・クロウ/アン・ハサウェイ/アマンダ・サイフリッド/エディ・レッドメイン/アーロン・トゥヴェイト/サマンサ・バークス/ヘレナ・ボナム=カーター/サシャ・バロン・コーエン/イザベル・アレン/キャサリン・ウルストン/ダニエル・ハトルストーン/コルム・ウィルキンソン
公式HP:http://www.lesmiserables-movie.jp/
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