【映画レビュー】幸せの教室 / Larry Crowne
トム・ハンクスが監督・製作・脚本・主演を務めた映画『幸せの教室』。
トム・ハンクスがリストラという逆境にも負けずに、自らを変えていき、ピンチをチャンスに変えてしまう中年男、ラリー・クラークを演じています。
20年の海軍での厨房勤務を経て、大型スーパーで真面目に働いていたにも関わらず、妻にも去られ、スーパーもクビになってしまったダサい中年のラリーですが、ジュリア・ロバーツ演じる美人スピーチ講師のテイノー先生や、ググ・バサ=ロー演じるイケてる女子学生・タリアと友だちになったことから、グングンとステキになっていきます。
不況の中、ついついうつむきがちになってしまう中年男性に前に進む勇気をくれる、さわやかな一作と言えるでしょう。
STORY
学歴を理由に勤務先の大型スーパーを解雇された高卒の中年、ラリー・クラウンは、一念発起してイーストバレー短期大学に入学。学生部長からのアドバイスをもとにスピーチと経済学の受講を決めた。スピーチクラスのメルセデス・テイノー先生は美人だが、あまりやる気がない。彼女はブロガー作家の夫とケンカの絶えない日々を送っていた。ラリーは女子学生・タリアと友だちとなり、彼女の影響でオシャレに変身。自分の人生にも自信がついてくる。
解説
この映画の中でラリー・クラウンが入学するのは、“Community College”。
“CC”と呼ばれるこのコミュニティ・カレッジは、日本の“短期大学”とはかなりイメージが違います。
入学試験もなく、18歳以上で高校を卒業していれば、誰でも入学できるのだそう。
社会人のための職業訓練コースもあり、キャリアのステップアップのために再入学してくる社会人学生も多いのだそうです。
このCCに入学したことで、ラリーどんどんとかわっていきます。
若い友人が出来たことから外見もオシャレになり、スピーチクラスを履修したことで話し方も堂々とし、経済学を学んだことで住宅ローンの返済を迫る銀行とも渡り合えるようになります。
学びが自信を呼び、その自信が自己肯定につながっていくのです。
つまらないと思っていた自分の人生も、振り返ってみると素晴らしい経験に満ちていたことに気付きます。
知識が人の未来を拓くこと、友情が人を育てることを描いているこの作品ですが、けっして説教臭くはありません。
出てくる人物も、リストラにあってしまう普通のおじさんだったり、夫との関係に悩むアル中寸前の女性だったり、働いているのかいないのかわからないような隣人だったり、みんなそこら辺にいそうな、普通の人物ばかり。
でも、そんな普通の人物の普通の人生の中にも、素晴らしい経験や友情がたくさんつまっていることをこの映画は教えてくれます。
まあ、普通のイケてない中年男性が短大に入ったからと言って、ググ・バサ=ローのような可愛い女の子と友だちになれる可能性はなかなか低い気もしますが…。
でも、この映画を観た後は「もう一度何かを学び直したい」と思う男性も、きっと多いと思います。
作品情報
『幸せの教室』(98分/アメリカ/2011年)
原題:Larry Crowne
公開:2012年5月11日
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
劇場:全国にて
監督・製作・脚本・出演:トム・ハンクス
出演:ジュリア・ロバーツ/ブライアン・クランストン/セドリック・ジ・エンターテイナー/タラジ・P・ヘンソン/パム・グリア/ジョージ・タケイ/リタ・ウィルソン/ググ・バサ=ロー/ウィルマー・ヴァルデラマ/グレース・ガマー/ラミ・マレック/マリア・カナルス=バレッラ/マルコム・バレット/ホームズ・オズボーン
公式HP:http://disney-studio.jp/movies/shiawase/
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