【映画レビュー】キック・アス ジャスティス・フォーエバー ／ Kick-Ass 2

普通の高校生として暮らしていた“キック・アス”ことデイヴと“ヒット・ガール”ことミンディは、再びヒーローとしての訓練を始める。そしてキック・アスに触発された自主ヒーロー“スターズ・アンド・ストライプス大佐”らと共に自警団“ジャスティス・フォーエバー”を作るのだった。その頃、“レッド・ミスト”ことクリスは、“マザー・ファッカー”というヴィランとなり、悪党軍団を組織して父を殺した“キック・アス”を倒そうとしていた…。

前作『キック・アス』の監督だったマシュー・ヴォーンが製作に回り、新たにジェフ・ワドロウという監督を迎えて作られた映画『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』。

イケてなかったデイヴはイケメンになり（アーロン・テイラー＝ジョンソンは本当にイケメンです。むしろブサメン役に無理がある）、小さかったミンディは身体も大きくなり、子どもから少女になりました。

小さい子役の女の子が汚い言葉を吐きながら大の男を殺しまくるのが魅力だった作品の続編を、子役が大きくなった状態で作るとしたらどうするのが正解なのか…。
スタッフたちが出した答えは、「登場するヒーローや悪役の数を増やす」というもの。

前作ではキック・アス、ヒット・ガール、ビッグ・ダディ、レッド・ミストと、キャラ数も少なかったのですが、本作ではとにかくキャラが増加。
正義の味方軍団と言える“ジャスティス・フォーエバー”では、スターズ・アンド・ストライプス大佐、ナイト・ビッチ、ドクター・グラビティー、バトル・ガイ、インセクトマン、リメンバー・トミーという面々が登場します。
そして、悪党軍団の方では、マザー・ファッカー、マザー・ロシア、アス・キッカー、チンギス・半殺し、ザ・トゥーマー、ブラック・デスと言った悪役たちが登場。
観ているだけじゃ、覚えられませんよね。。。

それぞれのキャラが“戦う理由”もちょっと弱いし、物語の必然性が薄いあたりが、どうも気になりました。
マザー・ファッカーも、もっと深みのあるキャラにしてくれれば、もっと面白いと思うのですけどね。。。

しかし、ヒット・ガールを演じるクロエ・グレース・モレッツちゃんの魅力は本作も健在。
ほのかな色気も出てきたし、とはいえ身体は動くしFワードは平気で吐くし、キャットファイトだってしちゃうし、クロエちゃんを観に行く分には楽しめるのではないでしょうか。
女友達とうまくいかずに苦労するクロエちゃんを「そうそう、あのくらいの年齢の時の女同士って一番めんどくさいよね」と応援したり、ティーンらしく恋に憧れるクロエちゃんに「こら！恋なんてまだ早い！」と怒ったり、父親か母親のような目で見守ってみるのも、いいかもしれません。