【映画レビュー】君と100回目の恋
少女漫画原作かと思いきや、完全オリジナル作品だというこの映画『君と100回目の恋』。
シンガーソングライターのmiwaと、今注目を浴びている若手俳優・坂口健太郎を主演に迎え、幼なじみの二人の恋を、美しい瀬戸内の景色と共に切なく描き上げています。
個人的に、miwaの声はあまり好きではないのですが、でもやはりこの映画はmiwaの歌声あってのもの。
ライブで切なく歌い上げる彼女の歌声が心に響きます。
<STORY>
葵海(あおい)は陸のことを想っていたが、気持ちを伝えられないまま、留学の日が迫っていた。バンドのラストライブの日、葵海は交通事故に遭ってしまう。しかし次の瞬間、葵海は1週間前の大学の教室にいた。戸惑う葵海に、陸が「自分は時間を戻すことができる」と告げる。葵海を助けるために、陸が時間を巻き戻したのだだと言う。陸と葵海はお互いの想いを確かめ合い、1年前に時間を戻し、留学まで彼氏彼女として過ごすことにするが…。
<解説>
この作品、いわゆる“タイムリープ”もの。
お互いに想い合っていながらもその想いを口にできなかった幼なじみが、ある事故をきっかけにお互いの想いを確認し合い、時を巻き戻して恋人同士の1年間を送ることになります。
いくら瀬戸内海が好きな幼なじみ同士とはいえ、同じ大学にまで通うってありえる? 高校ならともかく?
さらにバンドまで組んじゃうの?
なぜタイムリープ? それはなぜそこに?
など、いろいろ疑問は浮かびますが、そこはまあ説明はなく。
物語の中で大きなキーとなってくるのは、二人が組んでいるバンド“STROBOSCORP”です。
彼らはバンドを組んでいて、miwa演じる葵海がボーカルを、陸がリードギターを担当しています。
二人で一緒にオリジナル曲を作曲したりもするのですが、その曲作りの過程で、ある事実が明らかになっていくのです。
そこからのmiwaの演技の変化が見もの。正直、前半の方の演技には、「まだ彼女に映画の主演を張る実力はないのでは…」などとも思わせられますが、後半はなかなかの女優ぶりを見せてくれています。
さらに素晴らしいのは、彼らのバンドのラストライブで歌う「アイオクリ」という曲です。
詳しいストーリーを知らないライブの観客役のエキストラさんたちまでが涙していたというくらい、想いのこもった歌声を聞かせてくれており、「やはりこの映画の主演はmiwaでなくては務まらなかったんだな」と実感させてくれました。
月川翔監督の爽やかな演出が光る、美しい青春音楽映画と言えるでしょう。
<青山シアター>
「あなたのためなら何度でも…」秋の夜長に楽しみたい、強い愛が心を揺さぶるラブストーリー:http://magazine.aoyama-theater.jp/171003
『君と100回目の恋』(116分/日本/2017年)
公開:2017年2月4日
配給:アスミック・エース
劇場:全国にて
監督:月川翔
脚本:大島里美
プロデュース:井手陽子
撮影:小宮山充
美術:五辻圭
音楽プロデューサー:安井輝
音楽:伊藤ゴロー
出演:miwa/坂口健太郎/竜星涼/真野恵里菜/泉澤祐希/太田莉菜/堀内敬子/大石吾朗/田辺誠一
Official Website:http://kimi100.com/
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