きいろいゾウ
夫の名字が無辜(ムコ)、妻の旧姓が妻利(ツマリ)のため、お互いのことをムコとツマと呼び合っている夫婦が主人公の映画『きいろいゾウ』。
ムコは小説家、ツマは専業主婦。
ツマは動物や植物と話せる能力を持ち、ムコはそんなツマをそっと見守っているという、一風変わった夫婦です。
今を時めく向井理と宮崎あおいが、このちょっと風変わりな夫婦を演じています。
個人的には、お互いに「ツマ」「ムコ」と呼び合ったり、子どもに親のことを「チチ」「ハハ」と呼ばせたりするようなセンスはあまり好きではないなーと思ったり。
まあ、映画とはあまり関係のないことですが…。
<STORY>
お互いをムコさん、ツマと呼び合っている小説家の無辜歩と妻の愛子は、田舎の一軒家で二人暮らしをしている。ツマは病気で寝ていた幼い頃、満月の夜に“きいろいゾウ”と会って以来、植物や動物と話ができるようになり、田舎の家にやってくる動物や庭の植物たちと会話を楽しんでいる。ある日、ムコあてに差出人の名前のない手紙が届き、ツマは不機嫌になっていく。その手紙は、以前ムコが想いを寄せていた女性の夫から届いたものだった…。
<Cheeseの解説>
西加奈子の原作小説を『雷桜』の廣木隆一監督が映画化した本作。
ひと組の男女が、ぶつかり合い、苦しめ合いながらも、夫婦として成長していく様を描いています。
もちろんその夫婦は向井理と宮崎あおいを演じるムコとツマの二人ですが、この映画には他にも何組かのカップルが登場します。
ひと組は、柄本明と松原智恵子演じる老夫婦。
欠点だらけの夫、痴呆が始まってしまった妻、長年連れ添ってきた二人は、かばいあいながら二人の静かな生活を楽しんでいます。
ツマとムコにとっては、ある意味教科書のような存在です。
もうひと組は、リリー・フランキーと緒川たまき演じる中年夫婦。
子どもを亡くし精神的に打ちひしがれてしまった妻、そしてその妻の行動に傷つきながらも、妻のために行動する夫。
ムコにとっては、彼らは非常に大きな存在になります。
もうひと組は、濱田龍臣と浅見姫香演じる小学生カップル。
素直に男の子への愛情を表現する女の子と、そんな女の子の行動に照れ、逃げ回る男の子。
彼らはツマに、「好き」という気持ちがどういうものなのか、ストレートに教えてくれる存在です。
三組のカップルにいろいろと教えられながら成長していくムコとツマの二人。
“夫婦になる”というのは簡単なようで、難しいものなんですね。。。
まあ、今の所その兆しのない私としては、向井理くんが二人のメンヘラ女性に振り回されて、どうもかわいそうだなー、なんて感想を一番に抱いてしまったりもしたのですが…。
あ、そう言えばこの作品には、もうひと組の夫婦が陰ながら登場しています。
ツマは動物や植物と話ができるという設定なのですが、ある動物や植物の声を担当しているのが、2012年の3月に結婚した柄本佑&安藤サクラ夫妻。
彼らがどの声を担当しているのかは、あなたの耳で確認してみてくださいね。
『きいろいゾウ』(131分/日本/2013年)
公開:2013年2月2日
配給:ショウゲート
劇場:新宿ピカデリーほか全国にて
原作:西加奈子
監督:廣木隆一
出演:宮崎あおい/向井理/本田望結/緒川たまき/リリー・フランキー/松原智恵子/柄本明/濱田龍臣/浅見姫香
声の出演:大杉漣/柄本佑/安藤サクラ/高良健吾
公式HP:http://www.kiiroizou.com/
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