【映画レビュー】ゴースト・イン・ザ・シェル / Ghost in the Shell
士郎正宗のコミックス「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL」は、1995年に押井守監督により劇場版アニメ化、2002年から神山健治監督によりテレビアニメ化もされた日本発の人気コンテンツ。
この作品がいよいよハリウッドにて実写映画化され、スカーレット・ヨハンソンが少佐こと草薙素子を演じるとなると、期待が膨らむというものです。
この映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』、非白人のキャラクターを白人俳優が演じるということで“ホワイトウォッシュ”された作品だとの批判もありますが…。
この映画を例えば日本映画界が作ったとして、これだけの世界観を作り上げることができたか?
これだけの強烈な身体性を持った、そこにいるだけで世界を圧倒することのできるようなパワーを持った日本女優がいるか?
そう考えると、ハリウッドでこの映画が作られたことは、作品にとっては幸運だったのではないかと思います。
STORY
対テロ捜査のエリート機関、公安9課で少佐として部下たちを率いる。ある日、ハンカ・ロボティクス社の重役が他者の脳をハッキングして操作するテロリストに襲われ、研究者たちも殺されるという事件が起こる。バトー、トグサら、9課のメンバーとともに事件を捜査し、テロリストのクゼを追ううち、少佐の脳にバグが発生し、失われていた記憶の断片が見えるようになっていく。
解説
ハリウッドが製作しただけあって、国際色豊かなキャストが揃った本作。
近未来の世界を舞台とした、ボーダーレスな物語となっています。
とはいえ、物語のルックはちょっと今の時代から考えるとどこか懐かしさを感じさせます。
劇中のイメージも、士郎正宗の原作というよりも押井守ワールドへのオマージュが強く感じられるような…。バセットハウンドも出てきますしね。
個人的には、物語と映像にはだいたい満足したのですが、気になるのは、荒巻役の北野武でしょうか。
劇中でも日本語をしゃべっているのですが、この滑舌の悪さが、なんとも…。
日本語話者以外には気にならないかもしれないので、監督やプロデューサーたちはこの演技でOKを出してしまったのかもしれませんね。
ただ、私たちにとって彼は“芸人”ビートたけしでもあるわけですが、世界の映画人にとっては、“映画監督”TAKESHI KITANOのイメージなのでしょう。
日本いルーツを持つこの作品に、日本人の巨匠監督である彼が出演し、日本語でセリフを話している、ということに、意味があるのかもしれません。
作品情報
『ゴースト・イン・ザ・シェル』(107分/アメリカ/2017年)
原題:Ghost in the Shell
公開:2017年4月7日
配給:東和ピクチャーズ
劇場:全国にて
原作:士郎正宗
製作:アヴィ・アラッド/アリ・アラッド
監督:ルパート・サンダース
脚本:アーレン・クルーガー/ジェイミー・モス/ウィリアム・ウィーラー
音楽:ローン・バルフェ
出演:スカーレット・ヨハンソン/ピルー・アスベック/マイケル・ピット/北野武/桃井かおり/ジュリエット・ビノシュ/マイケル・ウィンコット/チン・ハン/ダヌシア・サマル/ラザルス・ラトゥーエル/泉原豊/タワンダ・マニモ/山本花織/アナマリア・マリンカ/ピーター・フェルディナンド/カイ・ファン・リエック/アンドリュー・モリス/ダニエル・ヘンシャル/アジョワ・アボアー/クリス・オビ/ピート・テオ/福島リラ
Official Website:http://ghostshell.jp/
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