【映画レビュー】ジーン・ワルツ
「なるほど、こうまとめましたか…」
映画『ジーン・ワルツ』は、海堂尊の原作からミステリ成分を少なくし、感動ものの要素をプラスした作品です。
もちろん、原作小説と映画が別物だということはわかっているんです。
ただ、どっちつかずになってしまった印象は否めないかな…。
個人的には、南果歩に「やっと会えたね」と言わせたその攻めの姿勢が、一番のツボでした。
<STORY>
帝華大学医学部産婦人科の助教を務める曾根崎理恵。彼女は体外受精や代理母出産の必要性を感じており、それを許さない日本の医療界に反発を抱き、大学からも要注意人物扱いされていた。かつて理恵と男女の関係になったこともある帝華大学准教授の清川は、彼女の言動を危惧していた。やがて理恵は大学を辞め、以前から院長代理を務めていた産科医院・マリアクリニックの仕事に専念することに。そのマリアクリニックにはそれぞれの事情を抱えた4人の妊婦が通院していた…。
<解説>
菅野美穂が主演を務めるこの作品、原作とはかなり違っています。
原作ファンの方は別物と思って観た方がよいでしょう。
原作では最大の謎になっている50代妊婦の謎があっさりと明かされたり、妊婦たちの抱える問題がちょっとずつ変更されていたり。
ミステリーというよりも、“生命の奇跡”にスポットが当てられた感じですね。
桐谷美玲が演じる不良少女・ユミの描写と言い、浅丘ルリ子演じる、死を目前にした老女医・マリア先生の描写と言い、なんだろうなあ、現実感が薄いのですよね。。。
ただ、赤ん坊の誕生というのは、やはり感動を伴うものでもあるので、経産婦の方たちには、響くものもあるかもしれません。
なんか、こう、女性受けを狙って中庸を取っていったら、中途半端な作品になってしまった感のある作品でした。
『ジーン・ワルツ』(111分/日本/2011年)
英題:Gene Waltz
公開:2011年2月5日
配給:東映
劇場:全国にて
原作:海堂尊
監督:大谷健太郎
出演:菅野美穂/田辺誠一/白石美帆/大森南朋/桐谷美玲/南果歩/風吹ジュン/浅丘ルリ子
公式HP:http://gene-waltz.com/
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