マリー・アントワネットに別れをつげて / Les adieux à la reine

マリー・アントワネットに別れをつげて 映画パンフレット 監督 ブノワ・ジャコー出演 レア・セドゥ、ダイアン・クルーガー、ヴィルジニー・ルドワイヤン、グザヴィエ・ボーヴォア、ノエミ・ルボフスキー

あの「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」という名言で有名なフランス王妃マリー・アントワネット
後世に生きる私たちから見ると、どうも派手好き、遊び好きで浪費家、というイメージがありますが、本当はどんな女性だったのでしょうか…。

この映画『マリー・アントワネットに別れをつげて』は、このマリー・アントワネットの朗読係として彼女に仕えていた女性が体験したフランス革命の4日間と、彼女が見たヴェルサイユ宮殿の様子、そして彼女の敬愛するマリー・アントワネットの言動を描いた作品です。

<STORY>
フランス王妃、マリー・アントワネットに仕える朗読係のシドニーは、王妃に心酔し、慕っていた。1719年7月、革命の足音が彼らの暮らすヴェルサイユにも近付いていた。7月15日、バスティーユ陥落のニュースがヴェルサイユ宮殿にも伝わり、286人の処刑リストも出回った。その一番目にはマリー・アントワネット、そして三番目に王妃の寵愛を受け富と特権を享受するポリニャック夫人の名前があった。シドニーは情報を得ようと走り回るが…。

<解説>

Les adieux à la reine (Farewell, My Queen) [Original Motion Picture Soundtrack]

1789年7月14日から始まったフランス革命。
この映画は、7月14日のバスティーユ監獄襲撃から始まったフランス革命をヴェルサイユ宮殿の内側から描いています。

この作品の主人公である“マリー・アントワネットの朗読係”シドニーには、革命は寝耳に水。
平和だった宮殿に突如わき起こった事件に戸惑い、詳しい情報を得ようと走り回ります。

ヴェルサイユ宮殿を使用人の目から描いたこの作品、描かれ方がとても新鮮です。
きらびやかな宮殿の地下の使用人食堂、蝋燭の灯りの下の薄暗い廊下、たむろする使用人たち。
ヴェルサイユ宮殿に集う貴族たちが、国王に群がる様子なども、当時の貴族たちの行動が垣間みられ、とても興味深いものでした。

この作品でマリー・アントワネットを演じるのは、ドイツ出身の女優・ダイアン・クルーガー
マリー・アントワネットと同じドイツ出身、フランス革命時のマリー・アントワネットと同年齢の彼女、シドニーが信望する可愛らしさ、無邪気さ、したたかさ、気高さなどを見事に表現しており、ぴったりなキャスティングだと思います。

主人公のシドニーは、マリー・アントワネットから彼女の愛する女性・ポリニャック夫人の衣装を着て宮廷から逃げるように頼まれます。
それは、革命家たちに捕まればポリニャック夫人として殺されるかもしれないという過酷な命令。
敬愛する高貴なマリー・アントワネットからその命令を受け、ポリニャック夫人に扮したシドニーの顔には、不思議な笑みが浮かんでいました。

王妃を一心に“恋する”シドニーは、マリー・アントワネットにとって使い捨てられる“使用人”でしかないというのはなんとも皮肉ですが、当時の宮廷ではこれが当たり前なのかもしれません。
マリー・アントワネットに別れをつげた後のレア・セドゥー演じるシドニーの微笑みは、深い愛と哀しみ、そして自嘲を感じさせるものでした。

『マリー・アントワネットに別れをつげて』(100分/フランス=スペイン/2012年)
原題:Les adieux à la reine
英題:Farewell,My Queen
公開:2012年12月15日
配給:ギャガ
劇場:TOHOシネマズシャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開
原作:シャンタル・トマ
監督・脚本:ブノワ・ジャコー
出演:レア・セドゥーダイアン・クルーガーヴィルジニー・ルドワイヤングザビエ・ヴォーヴォワ/ノエミ・ルボフスキー/ミシェル・ロバン
公式HP:http://myqueen.gaga.ne.jp/

王妃に別れをつげて
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