【映画レビュー】ゲキ×シネ「髑髏城の七人」
“最もチケットの取りづらい劇団のひとつ”と言われる劇団☆新感線。
この新感線の公演を10台以上のHDカメラで撮影し、劇場の臨場感をそのままスクリーンで再現したのが、劇と映画を融合させたこの「ゲキ×シネ」です。
今回のゲキ×シネ『髑髏城の七人』では、古田新太、橋本じゅんといった新感線の看板俳優は不在。
彼らの役を、若手俳優が演じています。
まあ、個人的にはやっぱり古田新太がいないとなんだかものたりないかな。。。
小栗旬ではシュッとしすぎて、あっさりし過ぎてるというか…。
そして、どうしても気になったのが、今回“抜かずの兵庫”を演じていた勝地涼。
なんだか、あまりにも芝居が橋本じゅんの演じた兵庫にそっくりで…。
いのうえひでのりの演出だとしたら勝地涼がかわいそうだし、勝地涼が自分でそうしてるんなら、ちょっと残念な気がします。
STORY
時は戦国。織田信長亡き後、天魔王率いる関東髑髏党が、関東一帯へと覇権を広げていた。ある村を襲っていた髑髏党と、侍の兵庫率いる関八洲荒武者隊が戦っていた時、無宿者の捨之介が現れる。捨之介の助けで髑髏党を蹴散らした兵庫は、捨之介を“救いの里”と呼ばれる色里・無界の里へ案内。そこには遊女・極楽大夫や髑髏党に追われる沙霧たちが暮らしていた。実は無界の里の主・無界屋蘭兵衛と捨之介、天魔王には浅からぬ因縁があり…。
解説
ゲキ×シネの10作目となる本作『髑髏城の七人』では、小栗旬、森山未來、早乙女太一、小池栄子、勝地涼、仲里依紗といった豪華な若手実力派俳優たちが顔を揃え、怒濤のエンターテインメントを見せてくれています。
もちろん、高田聖子、粟根まことといった新感線メンバーも参戦。若い俳優たちをしっかり支えてくれてます。
「髑髏城の七人」と言えば、劇団☆新幹線のアイデンティティとも言われる看板芝居の一つ。
この看板芝居で、かつて古田新太、市川染五郎らが演じた捨之介を演じるのは、小栗旬。
ドラマ部分では着物を粋に着流し、アクション部分ではその着物をはだけさせながら、見事な殺陣を披露しています。
そして、彼と対立する天魔王を演じる森山未來は、見事な演技力と身体能力で、登場するだけでその舞台の空気を変えているからさすが。
そして、無界屋蘭兵衛を演じる早乙女太一も、幼い頃から剣劇に親しんできた彼ならではの、素早く華麗な殺陣を見せ、観客たちを魅了してくれています。
この「髑髏城の七人」は、“いのうえ歌舞伎”と呼ばれる演目シリーズのひとつ。
演出家・いのうえひでのりが手がける歴史や神話をモチーフとした“現代の歌舞伎”とも言われる作品です。
ロックや派手な演出を取り入れ、ド派手にドラマティックに展開する“新感線ワールド”。
劇場で観る芝居とはまた違う、臨場感たっぷりのこの作品、ぜひスクリーンで味わってみてください。
作品情報
『髑髏城の七人』(179分/日本/2013年)
公開:2013年1月12日
配給:ヴィレッヂ、ティ・ジョイ、プレシディオ
劇場:新宿バルト9ほか全国にて
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:小栗旬/森山未來/早乙女太一/小池栄子/勝地涼/仲里依紗/高田聖子/粟根まこと/河野まさと/千葉哲也
公式HP:http://www.dokuro-jo.com/
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