【映画レビュー】BUNRAKU ブンラク / Bunraku
GACKTのハリウッドデビュー作となる映画『BUNRAKU ブンラク』。
ガイ・モシェ監督が日本の文楽にインスパイア、日本人の俳優を起用して製作した作品です。
まあ、日本人の目から見ると、文楽というよりペーパークラフトっぽいというか、ライオンキングっぽい感じもしたりも。
でもまあ、“インスパイア”ですからね。そのまま取り入れているっていうわけではないので。。。
GACKTが関西弁をしゃべってたり、サムライだったりと、日本人には思いつかないさすがのセンスです。
舞台美術っぽいセットなど、視覚的にも面白いし、監督のこだわりが詰まった一風変わった作品として、なかなか楽しめるのではないでしょうか。
<STORY>
核戦争後の荒廃した世界。ニコラという男が牛耳る街に、列車に乗って二人の男がやって来た。ドリフターという男は、ニコラに勝負を挑むために。そしてもう一人、サムライのヨシは、曾祖父の代に奪われた家宝の竜の紋章を取り戻すために、やって来たのだ。しかし、ヨシの叔父がニコラの手下に殺され、姪が拉致されてしまった。ニコラと因縁を持つバーテンダーに引き合わされたドリフターとヨシは、ニコラに挑むため共闘することになる。
<解説>
ニコラ(ロン・パールマン)という男が牛耳る街にやってきたドリフター(ジョシュ・ハートネット)とサムライのヨシ(GACKT)が、ニコラの組織を壊滅させるために戦うというこの物語。
舞台はひとつの街の中のみ。
日本人が経営する和食屋があったり、女郎風の衣裳を着た娼館があったりする、外国の人が好きそうなジャパンナイズされた世界観。
GACKTの他に、菅田俊、海保エミリといった日本人も出演していて、日本語のセリフもあります。
美術もすごく凝っていて、セットや小物など、紙で作られていたりするそう。
監督の解釈で文楽の舞台を模倣しているのです。
言わば、登場人物たちは、文楽の舞台にあがる人形ということができます。
そう考えれば、登場人物たちの大げさなポージングの数々も、人形たちが見得を切っているのだと納得できます。
狭い舞台の上で、限られた登場人物たちが、限られたセットの中で小さく物語をまわしていると言えるでしょう。
ジョシュ・ハートネット演じるドリフターや、ウディ・ハレルソン演じるバーテンダーのいるバーなどは西部劇風雰囲気なので、“西部劇の要素を取り入れた文楽の新解釈”が、この映画『BUNRAKU ブンラク』なのかもしれません。
ガイ・モシェ監督の実験的要素がたくさん詰まったこの作品、視覚的になかなか興味深い一作でした。
『BUNRAKU ブンラク』(124分/アメリカ/2010年)
原題:Bunraku
公開:2012年1月14日
劇場:新宿ピカデリーほかにて
監督・脚本:ガイ・モシェ
出演:ジョシュ・ハートネット/GACKT/ウディ・ハレルソン/ケヴィン・マクキッド/ロン・パールマン/デミ・ムーア/菅田俊/ジョルディ・モリャ/海保エミリ
語り:マイク・パットン
公式HP:http://bunraku-movie.jp/
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