アルゴ / Argo

Argo: How the CIA and Hollywood Pulled Off the Most Audacious Rescue in History

あのベン・アフレックの監督第三作目に当たる映画『アルゴ』

1979年にCIAで実際に行われ、18年間極秘にされていたある作戦を、見事にエンターテインメントに仕上げたこの作品。

ハリウッドのうさんくさいプロデューサーたちを巻き込んだバカバカしくも大げさなニセ映画製作プロジェクト、イランの過激派にバレないように国外に脱出するための緊迫感あふれる脱出劇、仕事にかけるオトコたちの熱いプライドなど、様々なポイントで胸を熱くさせられる、一級の娯楽映画です。

<STORY>
1979年11月、イランの過激派がアメリカ大使館を占拠した。52人の大使館員たちが人質になる中、6人の職員が脱出し、カナダ大使私邸に逃げ込む。この脱出が過激派に知られれば、彼らは公開処刑になる可能性もある。CIAは人質奪還のプロ、トニー・メンデスを呼ぶ。そこで彼が考えついたのは、6人をイランで撮影を行う映画クルーに仕立て上げ、国外に脱出させることだった。彼はハリウッドに協力を仰ぎ、ニセ映画プロジェクトを立ち上げる…。

<Cheeseの解説>

Argo: Original Motion Picture Soundtrack

この映画の主人公であるトニー・メンデスは、CIAの人質奪還のプロ。
イランのカナダ大使の私邸から出られないままでいる6人のアメリカ大使館員を国外に脱出させるために、ある映画プロジェクトを立ち上げるのです。

「アルゴ」というタイトルのその映画が実在するように思わせるため、実際のハリウッドのプロデューサーと特殊メイク・アーティストを巻き込んで、事務所を用意し、記者会見やパーティーまでやってしまいます。

お固いイメージのCIAと、うさんくさいイメージのハリウッド。
そんな彼らが手を組んで、大騒ぎに真面目に取り組む様子は、かなりミスマッチで笑いを誘います。

そして、そうやって「アルゴ」という映画が実在するという証拠を作り込んだ後、トニー・メンデスは、単身、イランに乗り込むのです。
そして、カナダ大使私邸に合流し、「映画のスタッフになりきるなんて無理だ」と言う大使館員たちを説得し、彼らを映画スタッフに偽装させ、いざ国外脱出を図るのです。

このイラン脱出までの緊迫感と言ったら、まさに手に汗握るもの。
一つの難関をクリアしたかと思ったら、次の難関が現れ、更に追っ手が現れる!

このサスペンス演出には、もう参りました…。
ベン・アフレック監督、サスペンスがどういうものか、エンターテインメントがどういうものか、知り尽くしていらっしゃる!

さらに、アフレック監督はドラマ作りも上手なんです。
“ニセ映画作戦”というキャッチーな要素に加え、普段は悪者にされがちなCIAで働くオトコたちの仕事にかけるプライドや、酒池肉林でウハウハなイメージのあるハリウッドの映画製作者たちの意外に真面目に仕事に取り組む姿を上手に描き、人間一人一人のドラマも浮かび上がらせているのです。

娯楽映画としても本当に面白く、政治映画としても皮肉の効いた、一級のエンターテインメント作品だと思います。

『アルゴ』(120分/アメリカ/2012年)
原題:Argo
公開:2012年10月26日
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場:丸の内ピカデリーほか全国にて
製作:ジョージ・クルーニー
製作・監督・出演:ベン・アフレック
出演:アラン・アーキンブライアン・クランストンジョン・グッドマン/ケリー・ビシェ/カイル・チャンドラーロリー・コクレーン/クリストファー・デナム/テイト・ドノヴァンクレア・デュヴァル/ビクター・ガーバー/ジェリコ・イヴァネクリチャード・カインド/スクート・マクネイリー/クリス・メッシーナ/マイケル・パークステイラー・シリング
公式HP:http://wwws.warnerbros.co.jp/argo/

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