【映画レビュー】明烏 あけがらす
『HK/変態仮面』、『女子ーズ』の福田雄一監督が品川のホストクラブを舞台に描いた映画『明烏 あけがらす』。
北品川あたりでホストクラブW、とその設定自体が微妙に可笑しいわけですが、お客としてもまったく行きたいと思えない(笑)ホストクラブの事務所で、延々と物語が進んでいきます。
でも、そのホストクラブでお金を使う気にはなれないですが、その事務所の様子はずっと観ていたくなる不思議。
やっぱり福田雄一ワールドは独特です。
狭っ苦しい事務所の中だけで物語は進むわけですが、キャストたちもみんな楽しそうなのがいいですね。
ムロツヨシさんの目のシパシパや、菅田将暉くんの回転からのツッコミ、城田優&若葉竜也のコールなど、その場で受けてみたいものです。。。
<STORY>
品川のホストクラブ“明烏”で指名最下位のホスト・ナオキは、1000万円の借金をしていたが、返済期限前日にギャンブルで返済金を稼ぎ出す。店の事務所で同僚のホスト・アオイらと返済の前祝いをして泥酔したナオキが翌日目を覚ますと、お金が姿を消しており、アオイたちもそんな金は知らないと言う。ナオキはなんとか金を作ろうとするが、事務所には金の払えない女性客の明子、上京してきたナオキの父・五郎など、次々に珍客が訪れて…。
<解説>
ホストクラブの事務所を舞台に、あるホストの12時間を描くシチュエーションコメディ『明烏 あけがらす』。
物語はほぼホストクラブの事務所内だけで展開する本作、遊郭を舞台にした落語の「明烏」、「品川心中」などを下敷きに、福田風の味付けがなされています。
借金取りに返済するはずの1000万円がなくなり、焦ったり苦悩したりぬか喜びしたり、感情を激しくアップダウンさせるホストのナオキ(菅田将暉)。
そんな彼の前にホスト仲間のアオイZ(城田優)ら同僚ホストたち、金がないのに飲んじゃった女性客・明子(吉岡里帆)、ナオキの父親・五郎(佐藤二朗)らが入れ替わり立ち替わり登場し、ナオキを揺さぶっては去っていきます。
物語的にはあまり動きのない本作、やはり見所は役者たちの演技。
閉ざされた一室が舞台となっているため、あまり絵面にも変化がない中、菅田将暉が様々な表情を見せて頑張っています。
特に必見なのが、吉岡里帆演じる女性客・明子との絶妙な掛け合い。
噛み合わない会話を必死に噛み合わせようとするナオキ、とにかく会話を自分の思う方向へ持って行こうとする明子のやりとりには、思わず笑ってしまいました。
そして、福田雄一作品の常連、佐藤二朗やムロツヨシの演技は、安定の面白さ。
若い俳優陣の頑張りを、余裕で受け止める彼らの遊びたっぷりの演技も素敵です。
映画『明烏 あけがらす』、舞台劇のような感覚で役者の演技を楽しめる、楽しい小品映画でした。
『明烏 あけがらす』(106分/日本/2015年)
公開:2015年5月16日
配給:ショウゲート
劇場:全国にて
監督・脚本:福田雄一
美術:尾関龍生
音楽:瀬川英史
出演:菅田将暉/城田優/若葉竜也/吉岡里帆/柿澤勇人/松下優也/新井浩文/ムロツヨシ/佐藤二朗
Official Website:http://akegarasu-movie.com/
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