【映画レビュー】Re:LIFE~リライフ~ / The Rewrite
腐女子を熱狂させた俳優の元祖とも言える、ヒュー・グラント。
“ロマコメの帝王”と呼ばれたりもし、さらにはいろいろなスキャンダルも経て、今やすっかり落ち着いたおじさまになってしまったこのヒュー様が、冴えない脚本家に扮したのが、この映画『Re:LIFE~リライフ~』です。
ヒュー様演じるキース・マイケルは、かつてオスカー像を手にするほどの栄光を手にしたものの、それ以降鳴かず飛ばずの売れない脚本家。
片田舎の大学で、人生のリライトをすることになる中年男を演じています。
しかしヒュー様、いくつになってもこういうダメ男役がお似合いです。
しかも、脂が抜けきっていないというか、いつまでたっても女で失敗しちゃう役が似合うあたり、やっぱり憎めない魅力がありますなあ。。。
STORY
キース・マイケルは、15年前にアカデミー脚本賞を獲得した脚本家。しかし、それ以来ヒットに恵まれず、仕方なく、ニューヨーク州の片田舎・ビンガムトンの大学でシナリオコースの講師をすることに。着任早々、受講希望の女子大生・カレンと一夜を共にし、懇親会で同僚の教授の敬愛する作家をけなすなど、キースはやりたい放題。しかし、シングルマザーのホリーを始め、生徒たちは真剣だった。キースは教職に魅力を感じ始めるのだが…。
解説
『ラブソングができるまで』などでおなじみのマーク・ローレンス監督×ヒュー・グラントのコンビによる4作目となる映画『Re:LIFE~リライフ~』。
この作品は、ピークを越えてキャリアの維持が難しくなった脚本家の再起を描いています。
かつてはオスカーまで獲得したものの、今は仕事もなく、映画会社でピッチをしてもまったくいい反応を得られない主人公のキース・マイケルは、拠点であるロサンゼルスを離れ、ニューヨーク州の片田舎・ビンガムトンの大学でシナリオコースの講師をすることになるのです。
そこで彼は、女性ばかりの家庭をぼやきながらも妻や娘たちをとっても愛している学科長や、ジェーン・オースティンを敬愛する生真面目な女性文学教授、気楽な独身生活を楽しんでいるシェイクスピア研究者の教授らという、ハリウッドのスノッブさとはまったくかけ離れた人々と同僚になります。
そして、さまざまな個性を持ったシナリオコースの学生たちと出会い、自分がシナリオを書き始めた理由や、シナリオを書くことに対する情熱を思い出していきます。
特に、彼に影響を与える生徒は二人います。
一人は、ベラ・ヒースコート演じるメガネ女子・カレン。
出会って早々にキースとベッドを共にし、これまでも講師たちと関係があったというカレンは、だんだんとキースの講師生活をおびやかす存在になっていきます。
そしてもう一人は、マリサ・トメイ演じるシングルマザーのホリー。
娘を二人抱え、日夜忙しく働きつつも、夢を持って学生を続け、自分の未来を信じている彼女から、キースは“現状を認め、愛すこと”、“自分を信じ、よりよい未来のために努力を続けること”を学んでいきます。
そうやってキースは、自分の人生を新しい視点からリライトし、人生との向き合い方を新しく発見していくようになるのです。
このあたりの展開は、さすがマーク・ローレンス監督。
ダメ男が再生していく様子を、小技を効かせつつも、さりげなく描いていきます。
さらに、ヒュー・グラントが持つどこか憎めない雰囲気が物語にユーモアをプラスし、説教くささや感動の押し売り感を上手に排除しているのです。
そういう意味では、ヒュー・グラントはどこまで言ってもロマンティック・コメディが似合う人なのですね。
いくつになっても、ロマコメの帝王として、中年同士の恋愛模様や初老同士の恋愛模様などを、軽妙に演じて欲しいと思ってしまいますね。
作品情報
『Re:LIFE~リライフ~』(107分/アメリカ/2014年)
原題:The Rewrite
公開:2015年11月20日
配給:キノフィルムズ
劇場:TOHOシネマズ シャンテほか全国にて
監督・脚本:マーク・ローレンス
製作総指揮:デヴィッド・コプラン
製作:リズ・グロッツアー/マーティン・シェイファー
撮影監督:ジョナサン・ブラウン
音楽:クライド・ローレンス
出演:ヒュー・グラント/マリサ・トメイ/ベラ・ヒースコート/J・K・シモンズ/クリス・エリオット/アリソン・ジャネイ/ジェイソン・アントゥーン/スティーブン・カプラン
Official Website:http://www.relife-movie.com/
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