ツレがうつになりまして。
宮崎あおいちゃんが、映画『神様のカルテ』に続き、“ハルさん”と呼ばれるほのぼの奥さんを演じた映画『ツレがうつになりまして。』。
“うつ”という心の病気が、誰の身近にもある今、うつとの付き合い方を明るく教えてくれる映画です。
夫のツレを演じた堺雅人が、どうしても小日向文世に見えてしょうがなかったのは、私だけでしょうか。。。
おんなじメソッドとかを学んでいるのかな? それとも、単に顔のつくりの問題か…。
<STORY>
結婚5年目になる夫のツレ、イグアナのイグと3人で、のんびりとした日々を送っている漫画家の晴子。しかしある日、夫のツレが「死にたい」とつぶやいた。病院に行ってみると、診断結果は“うつ病”。原因は仕事のストレスにあると思った晴子は、ツレに会社を辞めさせる。コロコロと気分や体調が変わるツレをゆっくり見守っていた晴子は、ツレの様子をイラスト日記に綴っていた。そして、そのツレの様子を綴った本を出版することとなり…。
<Cheeseの解説>
漫画家・細川貂々が、夫がうつ病になった体験記を綴ったコミックエッセイ「ツレがうつになりまして」。
それを、『日輪の遺産』の佐々部清監督が宮崎あおい&堺雅人の「篤姫」コンビで映画化したのが、本作『ツレがうつになりまして。』です。
親戚や友人などにうつ病の患者がいた佐々部清監督は、友人に勧められて原作を読み、「映画化したい!」と強く思ったのだとか。
そして、4年の年月をかけて、やっと映画化にこぎ着けたのです。
優しくハンサムな夫・ツレ、売れてはいないけれど自由に暮らせる漫画家の仕事、郊外の一軒家の日本家屋に暮らす主人公・ハルさんの生活は、一見優雅なもの。
しかし、ツレがうつ病になり、ハルさんの生活は変化していきます。
だけど、ハルさんが素敵なのは、その状況を嘆かず、明るく受けとめるところ。
旦那さんが失業し、失業保険の給付も終わり、収入がなくなると、妻としてはあせったりいらついたりしてしまいそうなものです。
しかし、ハルさんはどーんとツレを受け止め、「ツレがうつになりまして、仕事を下さい!」と、自分が一家の大黒柱として、仕事を取りにいくのです。
べったりと夫に頼るのではなく、夫の病気を“自分も一緒に解決する問題”として捉えているところが、この明るさの原因なのでしょう。
ただ、この作品のハルさんは、夫の病気を常に笑顔で見守る天使のような妻として描いているわけではありません。
ハルさんには、仕事の締め切りが近付くとイライラしてツレを無視したりする一面もあったり。
そんなハルさんの対応に傷つき、ツレはある事件を巻き起こしてしまったりもするのですが、そういう事件を乗り越えて、ますます二人の絆が強まって行ったりもするのです。
そんなハルさんとツレの様子を見ていると、「うつ病は特別な病気ではない」ということがわかってきます。
確かに、辛い病気ではあるのだろうけれど、きっと乗り越えられるはず。
そんな希望を抱かせてくれる、素敵な夫婦の映画です。
『ツレがうつになりまして。』(121分/日本/2011年)
公開:2011年10月8日
配給:東映
劇場:全国にて
原作:細川貂々
監督:佐々部清
出演:宮崎あおい/堺雅人/吹越満/津田寛治/犬塚弘/梅沢富美男/大杉漣/余貴美子
公式HP:http://www.tsureutsu.jp/
「ツレがうつになりまして。」サウンドトラック – Various Artists
幻冬舎
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