【映画レビュー】xXx＜トリプルＸ＞：再起動 ／ xXx:Return of Xander Cage

アメリカ国家安全保障局で特殊工作部門“トリプルX”を仕切る高官・ギボンズが暗殺された。その報告をする会議の席から、地球を回る3万基の人工衛星を自由に操ることができる装置“パンドラの箱”が強奪されてしまう。パンドラの箱を取り戻すため、ギボンズの後任・マルケは初代“トリプルX”のザンダー・ケイジを呼び戻す。ケイジは仲間達を呼び集め、パンドラの箱を奪った凄まじい身体能力を誇るジャンという男のいるフィリピンへ向かう…。

2002年の『トリプルX』で、これまでのスパイ像とは一線を画す、非白人、非スーツ、非ソフィスティケイティッド、体中にタトゥーを入れ、Xスポーツを駆使するという新たなシークレット・エージェント像を世に知らしめたこのシリーズ。
原点回帰でヴィン・ディーゼルが“トリプルX”に復帰し、世界を我が物にしようとする悪者から世界を守ります。

この“トリプルX”とは、サミュエル・L. ジャクソン演じるアメリカ国家安全保障局（NSA）の高官、アウグスト・ギボンズが設立した特殊工作部門。
CIAやFBI、KGBなどのオールドスタイルのシークレット・エージェントとは一味違う、カリスマ性や能力を持った面々をスカウトし、シークレット・エージェントに育て上げているのです。
そのメンツといえば、Xスポーツのカリスマ、ザンダー・ケイジ（ヴィン・ディーゼル）や、凄腕女スナイパーのアデル（ルビー・ローズ）、元スタントマンで「マウスピースがあればなんでもできる！」テニソン（ロリー・マッキャン）、一緒にいるとなんか楽しいニック（クリス・ウー）。

彼らはエージェントでもあるけれど、組織からの命令に唯々諾々と従う存在ではありません。自らの意志を持ち、自分や仲間の信念に従って、自分たちなりの作戦をやり遂げるのです。

で、そんな彼らと敵対するのは、ジャン（ドニー・イェン）、タロン（トニー・ジャー）、ホーク（マイケル・ビスピン）、セリーナ（ディーピカー・パードゥコーン）というチーム・ジャン。

中国、タイの誇るアクションスター、UFCミドル・ウェイト級チャンピオンかつMMAインターナショナルファイターというリアル・ファイター、そしてボリウッドのメガ・スターという、国際色も才能も豊かなメンバーが揃い、チーム・ザンダーの前に立ちふさがるのです。。。

こんな彼らの活躍は、最初から最後まで息もつかせぬ迫力映像の連続。
熱帯雨林でのスキーや、海上での波乗りバイク・チェイス、仲間同士の素晴らしいコンビネーションなど、驚きのアクションとツボをついた演出で、ニヤニヤさせられっぱなしです。

プロデューサーも務めたヴィン・ディーゼル、またもこの作品で“チーム・ヴィン”とも言うべき新たなファミリーを作り上げているように思います。
超一流のプロフェッショナルたちが自らの持てる才能を最大限に発揮し、一つの作品にまとめあげたエンターテインメント作品『xXx＜トリプルＸ＞：再起動』。
大満足させられること請け合いの、娯楽アクション・ムービーと言えるでしょう。