【映画レビュー】グランド・ブダペスト・ホテル / The Grand Budapest Hotel
風光明媚な断崖の上にたつ、優雅なピンクの建物、グランド・ブダペスト・ホテル。
ウェス・アンダーソン監督の新作は、1930年代に隆盛を極めた古き良きホテルを舞台に、豪華な俳優たちが見事なアンサンブルを見せる映画『グランド・ブダペスト・ホテル』です。
レイフ・ファインズ、ティルダ・スウィントンらベテラン名優から、シアーシャ・ローナン、レア・セドゥと言ったフレッシュな若手俳優までが、それぞれ楽しそうに役になりきり、自分に与えられた役割を果たしています。
その姿から、彼らのウェス・アンダーソン監督への信頼や愛情が感じられるような、作品への愛が形になったような一作だと思います。
STORY
1968年、ズブロフスカ王国のグランド・ブダペスト・ホテルを訪れたある作家は、ホテルオーナーのゼロ・ムスタファと出会い、彼の話を聞く…。1932年、ゼロはグランド・ブダペスト・ホテルにベルボーイとして勤め始めた。彼はそこで伝説のコンシェルジュ、ムッシュ・グスタヴ・Hと出会うのだった。ある日、ホテルの常連客のマダムDが家で死亡し、遺言でグスタヴに名画「少年と林檎」が贈られた。しかし、グスタヴにマダムDの殺害容疑がかかり…。
解説
1930年代に温泉リゾート地として栄えたグランド・ブダペスト・ホテルを舞台にしたこの作品。
“1960年代にある作家が聞いて出版した‘1930年代に伝説のコンシェルジュと仕事をし、彼のいろいろな姿を見て来たベルボーイの回想’”を、現代の読者が本として読んでいる…という入れ子のようなスタイルで作られた映画です。
この映画で特徴的なのは、何と言ってもその様式美。
ピンクをキーカラーとした美術と、箱庭のような美しい背景の中、登場人物たちがあちこち動き回ります。
登場人物たちは、みんなそれぞれの役割にあった特徴的な衣装をきっちりと着こなし、奇抜な髪型で個性を発揮し、群像劇の中でも個性を発揮しています。
ウェス・アンダーソン監督の作り出した世界は、かわいらしく、楽しく、愉快で、少し哀しい…。
最後の最後に流れるコサックダンスまで、監督のこだわりに満ちた、美しく楽しい映画でした。
作品情報
『グランド・ブダペスト・ホテル』(100分/イギリス=ドイツ/2013年)
原題:The Grand Budapest Hotel
公開:2014年6月6日
配給:20世紀フォックス映画
劇場:TOHOシネマズ シャンテ、シネマカリテほか全国にて
製作・脚本・監督:ウェス・アンダーソン
製作総指揮:モーリー・クーパー
製作:スコット・ルーディン/スティーヴン・レイルズ/ジェレミー・ドウソン
音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演:レイフ・ファインズ/F・マーレイ・エイブラハム/マチュー・アマルリック/エイドリアン・ブロディ/ウィレム・デフォー/ジェフ・ゴールドブラム/ハーヴェイ・カイテル/ジュード・ロウ/ビル・マーレイ/エドワード・ノートン/シアーシャ・ローナン/ジェイソン・シュワルツマン/レア・セドゥ/ティルダ・スウィントン/トム・ウィルキンソン/オーウェン・ウィルソン/トニー・レヴォロリ/ボブ・バラバン
公式HP:http://www.foxmovies.jp/gbh/
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