T2 トレインスポッティング / T2 Trainspotting
イギー・ポップの「ラスト・フォー・ライフ(Lust For Life)」に心踊らせ、アンダーワールドの「ボーンスリッピー(Born Slippy)」に体を揺らしていた1996年。
学生だったあの頃、誰もが『トレインスポッティング』のサントラを聴いていたし、おしゃれなショップには必ずと言っていいほどレントンたちのポスターが貼ってあった…。
そんな『トレインスポッティング』(日本公開:1996年11月30日)ど真ん中世代の私にとって、今年最も見逃してはならないと思っていた映画『T2 トレインスポッティング』。
あれから20年の時を経て、レントンやシック・ボーイ、スパッドやベグビーに会えるなんて、本当に感激です。
ダニー・ボイル、ありがとう!
そしてユアン・マクレガーにユエン・ブレムナー、ジョニー・リー・ミラーにロバート・カーライル、あんたたち最高だよ!
<STORY>
20年前、仲間たちを裏切って、大金を持ち逃げしたレントン。オランダで暮らしていた彼が、20年ぶりに故郷のスコットランド、エディンバラに帰ってきた。かつての友人たち、スパッドは相変わらずヤク中で、シック・ボーイことサイモンはパブの経営をしつつ、裏ビジネスを行っていた。殺人で服役していたベグビーは脱獄中。レントン帰郷のニュースを聞いて、彼を捕まえようと計画する。そんななか、レントンはサイモンと新たなビジネスを始めようとするのだが…。
<解説>
90年代日本のポップカルチャーに大きな影響を与えた、1996年の映画『トレインスポッティング』。
ドラッグに溺れるスコットランドの若者たちの姿を疾走感あふれる鮮烈な映像と音楽で描き出しました。
ユアン・マクレガー演じるレントン、ユエン・ブレムナー演じるスパッド、ジョニー・リー・ミラー演じるシック・ボーイ、ロバート・カーライル演じるベグビーらは、スコットランド、エジンバラでクスリまみれでどうしようもない日々を送っていました。
そんななか、「未来を選べ」とこれまでの生活から脱出すべく、レントンはある決意をして、ロンドンを疾走します。
そう、スパッド、シック・ボーイ、ベグビーを裏切って…。
今回の続編『T2 トレインスポッティング』は、その20年後の物語。
同じ役者、同じスタッフたちが再結集し、彼らの20年後を描いています。
あの時選んだはずの未来に立っているはずの彼ら。
しかし、彼らの日常や彼らの精神は、あの時からちっとも成長していません。
日常にもがきくるしみ、どうしようもない日々をただあがいている…。
20年という時を経て、役者たちも同じ時を重ねてきたからこそ、物語には重みとリアリティが感じられます。
さらに、私のような前作をリアルタイムで観ていた観客も、同じ時を過ごし、同じような成長のなさを実感しているからこそ、その物語はよりリアル。
人生の真実や悲哀をよりまざまざと感じさせてくれました。
また、前作に引き続き、アンダーワールドのリック・スミスによるサントラも素晴らしい!
あの「ラスト・フォー・ライフ(Lust For Life)」はプロディジー・ミックスとなっています。
そして、あの「ボーンスリッピー(Born Slippy)」は「スロースリッピー(Slow Slippy)」として復活しています。
本編中でも、さんざん出し惜しみされたうえで、あのキラキラとしたメロディが流れてきた時の感動と言ったら…。それでいてさわりだけ聞かせてクールにカットしてしまう、あのいけずで効果的な演出にも、思わず泣けました。
キャラクターたちと同時代を生きてきた同世代の人間として、彼らの行動や思い、セリフが一つひとつ胸に刺さった本作。
あの頃、輝く未来を信じ人生を選んだ私たち、そしてその未来で足掻いている私たち。
レントンやシック・ボーイは、まさしく私たちなのです。
中にはダイアンのように未来を切り開いた人もいるでしょうが…。
彼らと同時代を生き、20年間を共に積み重ねられたことに、本当に感謝したくなりました。
『T2 トレインスポッティング』(117分/イギリス/2017年)
公開:2017年4月8日
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
劇場:丸の内ピカデリーほか全国にて
監督:ダニー・ボイル
脚本:ジョン・ホッジ
音楽:リック・スミス
出演:ユアン・マクレガー/ユエン・ブレムナー/ジョニー・リー・ミラー/ロバート・カーライル/シャーリー・アンダーソン/アンジェラ・ネディヤコバ/ケリー・マクドナルド
Official Website:http://www.t2trainspotting.jp/
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