【映画レビュー】スイートプールサイド
大人になって考えれば当たり前のことだけれども、当事者たちにとっては大問題の“第二次性徴”。
毛が生えようが胸が膨らもうが、人間として当たり前のことなんですけどね。。。
「そう言えば、そんな頃もあったよねー」と、もにょっとした感覚を思い出しながら観ていた映画『スイートプールサイド』。
刈谷友衣子演じる毛深い女の子と須賀健太くん演じる毛のない男の子の物語ですが、ひとつ疑問が。
自分と周りの友人の女性だけのサンプルなので、もしかしたらそうでもないのかもしれないですが、刈谷友衣子ちゃん演じる後藤綾子の腕毛と脚毛の生え方ですが、女性の毛の生え方とちょっと違うような。
女性で毛深い人って、ああいうぽあぽあした細長い毛じゃなくて、黒くて濃い毛が生える人が多いような記憶があるのですが。
ああいう毛の生え方って、どうも男性の毛の生え方な気がするんですよねぇ。
まあ、毛の生え方なんて十人十色なのでしょうし、女性は若い頃からむだ毛の処理には気を使う人が多いので、実はああいう毛の生え方をしている女性はいるのかもしれませんが。。。
<STORY>
高校一年生の太田年彦は、なかなか毛が生えないことで悩んでいた。水泳部の年彦は、タオルを被ってコソコソ着替えているのを先輩に見とがめられ、毛がまだ生えていないことを水泳部中に暴露されてしまう。その日、同じく水泳部一年の後藤綾子が年彦にどうしたら毛が生えなくなるのかと聞いてきた。実は綾子は腕や脚の毛が濃いのだが、自分でうまく剃れないと言う。年彦は綾子に頼まれ、橋の下で綾子の毛を剃ることになるのだが…。
<解説>
「惡の華」などで有名な漫画家・押見修造の原作をもとに、松居大悟監督が映画化した『スイートプールサイド』。
「惡の華」もそうでしたが、大人の誰もが経験して来たけれど、人には言えずに自分一人で抱えていたような、今では忘れてしまっているようなもにょもにょした感情を、自然あふれる美しい映像で描いています。
高校一年生の男の子ならではの自分の体に対する羞恥、初恋、性欲、奇妙な倫理観、根拠もなく自分は特別だと思う気持ち。
高校一年生の女の子ならではの自分の体に対する羞恥、年上男性への憧れ、奇妙な倫理観、自分に都合のいい潔癖さ、根拠もなく自分は特別だと思う気持ち。
自分にとっては大問題であることを、大人たちには“よくあること”と片付けられて反発しつつも、自分ではなにもできないコドモな自分に、彼らはただただ、身悶えながら生きているかのようです。。
そんな、ある意味“中二病”な彼らが“毛を剃る”という行為で秘密を共有したら、どうなるか…。
かつて中二や高一だった自分を思い出させてもにょらせてくれる映画『スイートプールサイド』。
この作品の魅力や真価や痛さは、同年代の若い少年少女ではなく、大人になったかつての子どもたちこそ、理解できるものだと思います。
『スイートプールサイド』(103分/日本/2014年)
公開:2014年6月14日
配給:松竹メディア事業部
劇場:全国にて
原作:押見修造
監督・脚本:松居大悟
音楽:モーモールルギャバン
出演:須賀健太/刈谷友衣子/落合モトキ/荒井萌/太賀/井之脇海/谷村美月/木下隆行/利重剛/松田翔太
公式HP:http://sweetpoolside.jp/
松竹 (2014-11-05T00:00:01Z)
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