映画 鈴木先生
2011年にテレビ東京系で放送され、最低視聴率を記録したドラマ「鈴木先生」。
このドラマ、視聴率は低かったものの業界筋の評価は高く、ギャラクシー賞優秀賞ほか様々な賞を受賞しています。
確かに、Twitterなんかでも話題になってたなー。
その「鈴木先生」が映画化されたのが、この『映画 鈴木先生』。
監督の河合勇人、脚本家の古沢良太、主演の長谷川博己、ドラマから引き続き、話題のクリエイターたちがタッグを組んで、現代の教育現場を舞台にした問題作を作ってくれました。
<STORY>
緋桜山中学で2年A組を担任している国語教師の鈴木先生。彼は独自の教育理論<鈴木メソッド>を駆使して理想のクラスを作ろうとしているが、美人の女子生徒、小川蘇美のことが気になって仕方がない。もうすぐ開催される文化祭で劇を上演しようとしている2年A組では、放課後に公園で自主練習をしていた。しかし、公園の喫煙所にいる男性が生徒たちをいつもじっと見ており、問題に。学校の要請により、喫煙所は撤去されることになる…。
<Cheeseの解説>
中学校と言えば、悩みもモヤモヤも多い年頃。
小学生ほど子どもではないし、でも決して大人ではない。
体もいろいろ変わってきて、どうにも不安定な時期です。
自分の中学生時代を思い出してみても、かなりヒネくれてたし、素直ではなかったような気が…。
そんな中学生を相手にしなければならない中学教師って、ものすごく大変そうで、やる気と忍耐力がないと出来そうにない職業。
こんな“中学教師”を職業に選んでいる鈴木先生を、かなり尊敬してしまいます。
しかし、最近大変なのは、中学生ばかりじゃないのですね。
大学を卒業しても就職できない可能性もあるし、なんとか就職してもリストラされてしまう可能性だってある。
そして、自分が不幸な状況に陥ったのを社会のせいにして、他人に当たろうとする人だっているのです。
今回、鈴木先生が対応しなければならないのは、緋桜山中学2年A組の生徒たちだけではなく、そんなうまくいかなかった“元中学生”になるのです。
風間俊介演じる勝野ユウジは、自分や友人の生活がうまくいかなかったことを恨み、緋桜山中学の生徒、小川蘇美を公開レイプしようとします。
社会を恨んでるからってなんで公開レイプなのだ、という疑問がわきますが、そこは追いつめられている勝野くん、聞く耳を持ちません。
鈴木先生や蘇美のクラスメイトたちは、なんとかレイプを阻止しようと様々に勝野に声をかけるのですが…。
この『映画 鈴木先生』、気鋭の脚本家・古沢良太が脚本を手がけているだけあって、現代社会が抱える問題を、説教くさくなく、ほどよい重さで描いています。
先生だって人間だし、そりゃあ妄想を抱いたり煩悩を持ってたりもするでしょう。
そんな問題を抱えつつも、理想のクラスを作るため<鈴木メソッド>を駆使して頑張る鈴木先生のような教師がいる、というだけで、なんだか希望が持てる気がしますね。
それにしても、小川蘇美を演じた土屋太鳳ちゃん、もの思わしげな表情がなんとも美しく、本当に神秘的…。
美少女っていうのは、そこに存在するだけで人を狂わせてしまうことがあるのだなあ、なんて、素直に思ってしまいます。
あんな美少女が同じクラスにいたりしたら、同級生の男子生徒はいろいろ大変でしょうねえ。。。
『映画 鈴木先生』(124分/日本/2012年)
公開:2013年1月12日
配給:角川書店、テレビ東京
劇場:角川シネマ新宿、丸の内TOEI、渋谷TOEIほか全国にて
原作:武富健治
監督:河合勇人
脚本:古沢良太
出演:長谷川博己/土屋太鳳/臼田あさ美/風間俊介/田畑智子/斉木しげる/でんでん/富田靖子/夕輝壽太/山中聡/赤堀雅秋/戸田昌宏/歌川椎子/浜野謙太/窪田正孝
公式HP:http://www.tv-tokyo.co.jp/suzukisensei/
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