リトル・ランボーズ / Son of Rambow
「少年を主人公にしたイギリス映画には名作が多い」と言い張っている私。
この映画『リトル・ランボーズ』は、そんな私の仮説を見事に実証してくれている作品です。
なんと言っても、主人公の少年二人がいいんだよなぁ。
やせっぽちでひ弱な空想少年・ウィルと、ふてぶてしい面構えが愛らしい悪ガキ・リー。
こんな正反対なふたりが、アクション映画のヒーロー、ランボーに憧れて「僕はランボーの息子だ!」と、ランボーになりきって自主映画を撮影していく物語です。
少年たちの友情と映画愛に満ちた、素晴らしい作品でした。。。
<STORY>
プリマス同胞教会の規律を守り、テレビを見たこともない真面目な少年・ウィル。ひょんなことから学校一の悪ガキ・リーと知り合った彼は、リーの家で、映画『ランボー』を見て衝撃を受ける。ランボーにかぶれたウィルは、リーに「僕はランボーの息子だ!」と宣言。リーと一緒に“捕らわれたランボーを、ランボーの息子が救い出す”冒険映画を撮影することにする。撮影が進み、リーとウィルの間にはだんだんと友情が芽生えて来るが…。
<Cheeseの解説>
プリマス同胞教会を信奉する家に生まれ、テレビを見たこともなく、俗世と関わらずに生きて来たウィル。
父親は事故で亡くなったため、母親とおばあちゃん、妹の4人暮らしです。
そんなウィルにとって、新しく知り合った学校一の悪ガキ・リーは、驚きの存在。
母親と義理の父親は外国へ行っていて、基本的に兄と二人暮らし。
叱ってくれる大人はおらず、勝手気ままに暮らしています。
ウィルは、リーの家で初めて“映画”というものを観ます。(違法に撮影したビデオだけどね…)
しかも、その作品は『ランボー』。
学校の授業で見るビデオですら見たこともなかったウィルには、刺激が強すぎでしょう。。。
一気にランボーの虜になり、ランボーの息子だと名乗りをあげるのです。
そして、ウィルはリーと一緒にランボーの息子を主人公にした映画を撮り始めます。
主演は、もちろんウィル。
ウィルとリーは、アイデアと創意工夫で、空を飛び、地に潜るランボーの息子の大活躍を見事に映画化するのです。
二人の姿は、映画の魅力に魅せられた映画小僧そのもの。
「ランボーが好きだ!」「映画が撮りたい!」という情熱が伝わって来て、思わず笑顔になってしまいました。
とはいえ、ストーリーはそんなにトントン拍子に進むというわけではなく、二人にはいろいろな試練が襲いかかります。
宇宙人みたいなフランスからの留学生、リーを奴隷のようにこき使う兄、ウィルにプリマス同胞教会への忠誠を迫る信者の男…。
二人の物語は、なかなかに波乱万丈でした。
この作品、1972年生まれのガース・ジェニングス監督の想い出がベースになっているのか。
彼自身も、『ランボー』(の海賊版ビデオ)を観て衝撃を受け、自分たちでも映画を作った経験があるそうです。
でも、自身の想い出をノスタルジックに描いただけでマスターベーション作品ではなく、きっちり楽しませてくれるエンターテインメント作品に仕上げているのは素晴らしいところ。
監督の“映画愛”とプライドを感じられる、素敵な作品を届けてくれました。
『リトル・ランボーズ』(94分/英国=フランス/2007年)
原題:Son of Rambow
公開:2010年11月6日
配給:スタイルジャム
劇場:シネクイントほか全国にて
監督:ガース・ジェニングス
出演:ビル・ミルナー/ウィル・ポールター/ジュール・シトリュク/ジェシカ・スティーヴンソン/ニール・ダッジオン/エド・ウェストウィック
公式HP:http://rambows.jp/
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