【映画レビュー】リメンバー・ミー / Remember Me
憂いたっぷりの表情のロバート・パティンソンが、歩いて、タバコを吸って、手紙を書いて、妹と遊んで、恋をして、父親を責める映画『リメンバー・ミー』。
オヤジのせいで傷ついたオレってかわいそう、オヤジのせいで自殺したアニキがかわいそう、オヤジのせいで傷ついてる妹がかわいそう、と、なんでも父親のせいにしようとする若者・ロバート・パティンソンをどう見るかが、この作品の評価の分かれ目になるのではないでしょうか。
でも、ニューヨークを舞台にしたロバート・パティントンの各種プロモーション映像は、ファンにはたまらないのではないでしょうか。。。
<STORY>
6年前に兄が22歳で自殺して以来、タイラーの人生は苦悩と怒りで満ちていた。もうすぐ22歳になる彼は、兄の自殺が父親のせいだと信じていた。ある日、彼はケンカに巻き込まれて、クレイグ警部に逮捕されてしまう。釈放後、友人のエイダンがクレイグの娘をNYUで発見。その娘・アリーを落とそうと企み、タイラーはアリーに近付いた。だがやがて、アリーを本気で惹かれていく…。アリーには、目の前で母親を銃殺されるという経験をしていた。
<解説>
「僕が悪いんじゃない、全部パパが悪いんだ!」という、若さや青さがにおい立つこの作品。
ロバート・パティンソンが無名の脚本家ウィル・フェターズが書いた脚本に惚れ込んで、自らが製作総指揮、主演を務めたそうです。
うーん、ロバート・パティンソン、やっぱりまだ若いのね。
そんな若いロバートの反抗を受け止めるのは、弁護士事務所を経営する父親を演じたピアース・ブロスナンと、アリーの父親・クレイグ警部を演じたクリス・クーパー。
それぞれに事情を抱え、いろいろな想いを抱きつつも、厳格に生きる二人の父親が、若いカップルの反抗をどーんと受け止めています。
この二人がいなければ、若い自意識過剰な俳優のマスターベーションになりかねなかったであろう作品に、深みを与えてくれています。
若い俳優の苦悩を受け止め、その懐を差し出した二人のベテラン俳優が、この映画を見応えのあるものにしてくれました。
しかし、若者の父への反抗物語として進んできたこの物語には、最後に大きなどんでん返しが隠されています。
いろいろと伏線は張られているし、そういえばテロップがあった、年号を考え合わせれば合点がいくんですけどね。。。
でも、まったく前情報なしで観に行ったので、このどんでん返しには、とても驚かされました。
この急激などんでん返し、未だ事件の傷跡を抱えている本国・アメリカの批評家筋にはとても評判が悪かったようです。
しかし、“諸行無常”の文化を持つ日本人には、とても受け入れやすいものではないでしょうか。
311後の日本であれば、それは特に言えることかもしれません。
うん、食べたかったらメインよりもデザートを先に食べた方がいいし、やりたいことは悔いのないようにやっておいた方がいいんだろうなあ。。。
『リメンバー・ミー』(113分/アメリカ/2010年)
原題:Remember Me
公開:2011年8月20日
配給:ツイン
劇場:シネマート新宿にて
監督:アレン・コールター
脚本:ウィル・フェターズ
製作総指揮・出演:ロバート・パティンソン
出演:エミリー・デ・レイヴィン/クリス・クーパー/レナ・オリン/ピアース・ブロスナン/テイト・エリントン/ペイトン・リスト/ルビー・ジェリンス/マーサ・プリンプトン
公式HP:http://www.rememberme-movie.jp/
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