【映画レビュー】美女と野獣 / La Belle et la Bête
クリストフ・ガンズ監督とヴァンサン・カッセルのコンビと言えば、2001年に製作され、私の中で個人的な大ブームを巻き起こした傑作映画『ジェヴォーダンの獣』コンビ。
あのゴージャスで大層に見えながらもバカバカしい、なんだか素敵な世界観がきっと本作でも再現されているに違いない!
しかも主人公の美女・ベルを演じるのは、パルム・ドール女優、レア・セドゥ。
あのフランス女優独特のコケティッシュかつ媚びない雰囲気で、新たなるベル役を作り上げてくれるはず!
と、楽しみに観に行った映画『美女と野獣』。
まあ、いい具合に期待通りなところもあれば、いい具合に期待外れな部分もありましたが、「うん、こういうのがクリストフ・ガンズよね。こういうどこかバカバカしいセンスのフランス映画って、好き」と思わせてくれる、愛すべき作品でした。
やっぱりいいなあ、クリストフ・ガンズ。
こういう風に、ものすごく大仰に構えつつ、でも実は大した内容のない作品で、特に監督の言いたいことを押し付けてくるわけじゃない映画って、フランス映画の文化的余裕を感じさせてくれますね。
(ほんとに誉めてるつもりです)
STORY
裕福な商人の末娘として生まれたベルは、実家の没落のため田舎に引っ越すこととなる。ある日、出かけていた父親が吹雪に見舞われ、ある古城に迷い込んだ。そこでベルのために一輪の薔薇を手折った時、野獣が現れて商人の命を要求するのだった。話を聞いたベルは父親の代わりに古城を訪れる。死を覚悟していたベルだったが、野獣が彼女に要求したのは、毎日ドレスを身に着けて、夕食を共にすることだけ。その夜、ベルは一人のプリンセスの夢を見る…。
解説
ディズニーアニメなどでも有名な“美女と野獣”の物語の原点に立ち返り、現代ではあまり知られていないヴィルヌーヴ夫人の原作をもとに実写映画化した本作。
一癖も二癖もある演技がお得意なフランス俳優、ヴァンサン・カッセルが野獣を、気の強さと弱さが混じり合ったような表情が独特の魅力を醸し出すレア・セドゥが美女・ベルを演じています。
この物語に登場する野獣は、傲慢で短気なキャラクター。
その不遜さが災いし、呪いに閉じ込められてしまうのです。
優しさと強さ、好奇心をあわせ持ったベルは、そんな野獣の住む城に囚われることに。
けれど、その好奇心からだんだんと野獣の過去に興味を持ち、過去の事実を知るようになります。
彼女はそこで野獣の残酷な一面も知るようになりながらも、彼のことを理解していきます。
そんな中、ベルを救いにきたベルの兄たちが、騒ぎを巻き起こし…。
この物語、巨人は登場するわ謎の生物は登場するわ、なかなかやりたい放題。
あれ、グレムリン? あれ、巨人?と、なんとなく既視感のあるクリーチャーたちが楽しげに暴れています。
クリストフ・ガンズ、こういうのやってみたかったんだね。。。
レア・セドゥ&ヴァンサン・カッセルのコスチューム・プレイというイメージで、耽美な映画を想像して観に行くと、ちょっと裏切られたと感じてしまうことでしょう。
でも、そんな裏切りがちょっと楽しく感じられる、不思議な味わいの作品なのです。。。
作品情報
『美女と野獣』(113分/フランス=ドイツ/2014年)
原題:La Belle et la Bête
公開:2014年11月1日
配給:ギャガ
劇場:TOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて
原作:ヴィルヌーヴ夫人
監督:クリストフ・ガンズ
出演:レア・セドゥ/ヴァンサン・カッセル/アンドレ・デュソリエ/イボンヌ・カッターフェルト/エドゥアルド・ノリエガ/ミリアム・シャルラン/オドレイ・ラミー/サラ・ジロドー/ジョナサン・ドマルジェ
公式HP:http://beauty-beast.gaga.ne.jp/
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