黒執事
枢やな原作のコミックス「黒執事」。
世界で1600万部の発行部数を誇り、大人気ということなのですが、すみません、私、まったく読んだことがありません。。。
そんな大人気コミックスを映画化した『黒執事』。
個人的には、コミックスをまったく知らない分、その世界観を面白く観ることができました。
剛力彩芽ちゃんは、今回演じた幻蜂清玄のような、現実感の薄い作り込んだキャラクターがよく似合うと思います。
<STORY>
世界が西側と東側で分断されている時代。西側を統治する女王は、東側に諜報活動を行う“女王の番犬”を送り出していた。ある国で、各国の大使館員が相次いでミイラ化して死亡するという事件が起こる。“女王の番犬”である若き伯爵、幻蜂清玄(げんぽうきよはる)は、執事のセバスチャンと共に調査に乗り出した。ある製薬会社社長が主催する秘密のパーティーがあやしいと睨んだ二人は、叔母の華恵の人脈を使い、パーティーに乗り込むが…。
<Cheeseの解説>
この映画の原作である枢やなのコミックス、実は19世紀イギリスを舞台にしているそう。
しかし、日本人だらけのキャストで19世紀イギリスを舞台にした映画は作りづらいということなのか、映画では舞台が“近未来のアジアの某国”に変更されています。
水嶋ヒロ演じるセバスチャン・ミカエリスは剛力彩芽演じる幻蜂清玄(げんぽうきよはる)に仕える完璧で有能な執事。
「私は、あくまで執事でございます」とクールなセリフと共に、タイトなラインのタキシードに身を包み、ディナーナイフを片手に、華麗なアクションも披露しています。
剛力彩芽は男装の伯爵という難しい役所で、クールな命令口調を披露。
等身大なキャラクターではない分、懸命な演技が光っています。
“アジアの某国”が舞台となった本作は、近未来的な高層建築とゴシック調の石造りの屋敷などが不思議に調和する建築物や、クラシカルな衣装、“幻蜂”“猫磨”といった奇妙で難しい名前など、世界観も独特。
共同監督の一人であるさとうけいいち氏がこだわったビジュアル面は、かなり楽しめるものでした。
ただまあ、ドラマ部分はね…、思わせぶりな脇役、わかりやすい黒幕の存在、ベタな愛憎ドラマなど、ちょっと惜しい部分が多かったような気がします。
大谷健太郎とさとうけいいちが共同監督を務めているわけですが、エモーショナルな泣かせ方向に走らずに、人間味を極力減らしたクールなドラマに仕立ててくれた方が、良かったのではないかと思います。
『黒執事』(119分/日本/2014年)
公開:2014年1月18日
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場:全国にて
原作:枢やな
監督:大谷健太郎/さとうけいいち
脚本:黒岩勉
プロデューサー:松橋真三
出演:水嶋ヒロ/剛力彩芽/優香/山本美月/大野拓朗/栗原類/海東健/ホラン千秋/丸山智己/城田優/安田顕/橋本さとし/志垣太郎/伊武雅刀/宮川一朗太/岸谷五朗
公式HP:http://wwws.warnerbros.co.jp/kuroshitsuji-movie/