【映画レビュー】風立ちぬ
飛行機が大好きで、空を飛ぶ描写が大のお得意のアニメ監督、宮崎駿。
この日本を代表する監督が、自分の趣味を全開にしつつ、日本の暗い時代を舞台に、夢を追う青年の姿を描いた映画が、本作『風立ちぬ』です。
実在の人物、堀越二郎の半生に、小説家・堀辰雄の小説「風立ちぬ」のストーリーを重ねあわせて描いています。
STORY
幼い頃から飛行機が大好きだった堀越二郎は、ドイツの飛行機製作者、ジャンニ・カプローニと通じ合うものを感じていた。東京の大学を卒業し大軍需産業のエリート技師となった二郎は、念願の飛行機の設計を手がけるようになる。しかし、自分の設計した飛行機が墜落し、傷心した二郎は避暑地で一時を過ごすことに。そこで里見菜穂子という美しい女性と恋に落ちた二郎は、菜穂子と婚約。しかしその時、菜穂子の体は肺病に冒されていた…。
解説
この映画の主人公である堀越二郎の声を担当しているのは、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの監督として知られる庵野秀明。
宮崎駿監督の『風の谷のナウシカ』で巨神兵登場のシーンを手がけた庵野秀明が、約30年ぶりにふたたび宮崎駿監督とタッグを組むこととなったのです。
宮崎駿と庵野秀明と言えば、「日本を代表する」という言葉が相応しいアニメ製作者。
二人とも、努力をして夢を叶え、その地位を手に入れたのはずです。
そんな二人の最新作の主人公が、零戦製作者である堀越二郎だというのは、なんとも象徴的。
堀越二郎は、その才能をフルに発揮して幼い頃からの夢を叶えた人間ですが、その夢の結果は、“日本の敗戦”という、哀しい事実でした。
もちろん、それは彼のせいではないけれど、彼が製作した飛行機に乗って、多くの若者が命を落としたというのは事実です。
その事実を受け止め、堀越二郎は生き続けなければならない。。。
日本を代表するアニメ作家二人が見ている世界は、いったいどんなものなのでしょうか。。。
別コラム
作品情報
『風立ちぬ』(126分/日本/2013年)
英題:The Wind Rises
公開:2013年7月20日
配給:東宝
劇場:全国にて
原作・監督・脚本:宮崎駿
音楽:久石譲
主題歌:松任谷由実
声の出演:庵野秀明/瀧本美織/西島秀俊/西村雅彦/スティーブン・アルパート/風間杜夫/竹下景子/志田未来/國村隼/大竹しのぶ/野村萬斎
公式HP:http://kazetachinu.jp/
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