【映画レビュー】女子ーズ
“戦隊ヒーロー”というと、ゴレンジャーの時代から、だいたい男4人+女1人の計5人で構成されていることが多いものです。
でも、“戦隊ヒーロー”ってみんな男じゃないとダメなわけ? 全員女だっていいんじゃない?
という妄想が映画化されたのが、この映画『女子ーズ』です。
島本和彦デザインのコスチュームに身を包み、テキトーに戦う旬の女優たち!
エリンギやカメムシ、ジュンサイやキツツキなどをモチーフにした怖いんだか弱いんだか優しいんだか強いんだかわからない怪人たち!
猫らしき妙な生き物をいつも抱えている、謎の司令官チャールズ!
5人揃ってグルグルまわるだけの変な必殺技、女子トルネード!
なんだかチープなダンボールで作られたかのような巨大ロボ、女子ーズ・ロボ!
なぜか怪人たちがいつも現れるのは、昔から見慣れている“例の採石場”!
などと、なんだかんだ言ってもファンの心を鷲掴みにするこんなポイントもたっぷり。
監督・脚本を務めた福田雄一は、脱力感たっぷりに“戦隊あるある”“女子あるある”を集めて、ゆるふわな戦隊ヒロイン物語を作り上げてくれました。
<STORY>
ある日、司令官のチャールズから“名字に色の名前が入っている”5人の女子が呼び出され、地球を守る女子だけの戦隊“女子ーズ”が結成される。リーダーのレッドは建築会社に勤めるOLの赤木直子。強気で気分屋なブルー、極貧でドライな性格のイエロー、夢を追う劇団員のグリーン、恋するお嬢様のネイビーという、一癖あるメンバーで、地球を征服するためにやって来た怪人たちと戦うことになる。しかし、女子たちは恋に仕事に忙しく…。
<解説>
大河ドラマから話題の映画で活躍し、さらにキャスターとしても活動の幅を広げている桐谷美玲(女子・レッド)。
NHKの朝の連続テレビ小説「あまちゃん」で小泉今日子の若い頃を演じ、そのアイドルスマイルで往年のアイドルファンから若い層まで、その心を時めかせた有村架純(女子・グリーン)。
その次のNHKの朝の連続テレビ小説「ごちそうさん」で主人公の義妹を演じ、その見事な歌声や流暢な大阪弁で注目を集めた高畑充希(女子・イエロー)。
映画『武士の家計簿』、『MONSTERZ モンスターズ』に出演し、韓国にも進出している藤井美菜(女子・ブルー)。
映画『黒執事』、『東京難民』など、次々に出演映画が公開されている山本美月(女子・ネイビー)。
美貌と魅力はもちろんのこと、その飛ぶ鳥を落とす勢いの活躍ぶりが光る旬の女優たちがゆるーく戦うこの作品。
地球を守るために戦うはずの戦隊でありながら、怪人との戦いよりまつげエクステを優先したり、別れ話で傷ついて戦いに来なかったり…と、彼女たちの言動はかなり理不尽。
それもそのはずで、彼女たちの言動は福田雄一監督が女性に対して感じている“納得いかない”感をそのまま再現しているのが、“女子ーズ”なのです。
特に、監督が普段から奥さんに感じている「女子ってなんなの…」という納得いかなさがそのまま脚本に現れていると言うことで、女子・ネイビーが言う「私、走るのNGなんで」なども、福田監督の奥さんの名言らしいです。
そんな“女子あるある”が詰まったこの映画、特に何かが得られるような作品ではありませんが、97分、とにかくゆるーく笑わせてくれます。
女子は女子で「わかるー」と笑い、男子は男子で「ないわー、女子ー」と笑えるこの作品、ある意味デートムービーなどにも使える映画だと思います。
『女子ーズ』(97分/日本/2014年)
公開:2014年6月7日
配給:キングレコード
劇場:新宿バルト9ほか全国にて
監督・脚本:福田雄一
出演:桐谷美玲/高畑充希/藤井美菜/有村架純/山本美月/落合モトキ/大東駿介/安田顕/岡田義徳/黄川田将也/皆川猿時/きたろう/佐藤二朗
公式HP:http://jyoshizu.com/
宝島社
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