【映画レビュー】ジョン・ウィック:チャプター2 / John Wick : Chapter 2
2014年に登場し、ガン・アクションとカンフーを組み合わせた“ガン・フー”で世界を魅了した映画『ジョン・ウィック』。
何年かおきに見事な復活劇を遂げるキアヌ・リーブスの新たな当たり役として一気に人気を獲得した殺し屋ジョン・ウィックが帰ってきました。
その名も、ジョン・ウィック第2章こと、『ジョン・ウィック:チャプター2』。
前作でニューヨークのロシアン・マフィアを壊滅させた5日後から始まるこの物語、“ガン・フー”からさらに進化した“カー・フー”、“ナイ・フー”なども駆使して、新たなキレッキレなアクションを見せてくれています。
STORY
殺し屋を引退したはずのジョン・ウィックのもとに、イタリアン・マフィアのナンバー2であるサンティーノ・ダントニオが訪ねてくる。かつてジョンはサンティーノに“誓印”を渡しており、彼の依頼を断ることはできない。組織のトップの座を狙うサンティーノはジョンに姉・ジアナの暗殺を依頼し、ジョンは心ならずもローマで彼女を暗殺した。彼女の死で組織のトップとなったサンティーノは、全世界の殺し屋にジョン・ウィックの暗殺を命ずる…。
解説
『ジョン・ウィック』の続編となる本作、前作で監督を務めたチャド・スタエルスキがもちろん続投しています。
前作で“ホテル・コンチネンタル”をはじめとする殺し屋たちをサポートする地下組織・コンチネンタルが登場しましたが、本作ではそのコンチネンタルの秘密がさらに明かされていきます。
ローマを発祥として全世界で展開しているこの組織、ホテルや掃除屋だけでなく、使う人にぴったりあった銃を選んでくれる武器ソムリエや、エレガントながらも動きやすく防御力も高いという殺し屋のためのスーツをあつらえてくれるテイラーなども備えています。
さらに、電話一本で全世界の殺し屋に暗殺の依頼を行うことのできるシステムなども完成しているようで…。
チャド・スタエルスキ監督がずっと考えてきたと思われる“ぼくが考えるさいきょうの殺し屋組織”を、好きなだけ華麗に作り上げていると言えるでしょう。
また、ガン・アクションとカンフーを組み合わせた“ガン・フー”で世界を魅了した前作に引き続き、今作ではカーアクションやナイフアクションを組み合わせた“カー・フー”、“ナイ・フー”も披露。
なんでも“フー”をつければいいって言うもんでもない気がしますが…。まあ、いいでしょう。
この「ジョン・ウィック」シリーズを製作するうえで監督が重視していると思われるのは、とにかくアクションの美学を追求したいということでしょう。
「犬を殺された元殺し屋が切れてロシアン・マフィアを大虐殺」というわかりやすいプロットをキレッキレのアクションと殺し屋たちをサポートするホテルの存在の面白さで描いたのが前作。
本作では「引退したつもりが引退できなかった伝説の殺し屋を、世界中の殺し屋が狙ってくる」という単純なプロットを、さらにキレ度を増した流麗なアクション、殺し屋たちをサポートする地下組織の広大な世界、イタリアン・マフィアの家族間の争いをトゥーマッチな映像で描いていると言えます。
登場するキャラクターも姉を殺してマフィアのトップの座を狙うサンティーノ(リッカルド・スカマルチョ)、地下組織・コンチネンタルのトップとして世界中の殺し屋を操ることができるウィンストン(イアン・マクシェーン)、ホームレスのような装いでニューヨークのアンダーグラウンドの帝王として生きるバワリー・キング(ローレンス・フィッシュバーン)など、もう濃縮されまくったような濃いキャラばかり。
さらに、ジョン・ウィックと敵対する殺し屋も、雇い主であるジアナを殺されて自らのプライドを打ち砕かれてジョン・ウィックを執拗に追うボディガード・カシアス(コモン)や手話のみで会話する沈黙の女殺し屋・アレン(ルビー・ローズ)など、キャラが立ちまくっています。
個人的には、ニューヨークのホテル・コンチネンタルのマネージャー、シャロン(ランス・レディック)が再び登場してくれて、犬を可愛がってくれたあたりに萌えてしまいましたね。。。
ブギーマンというコードネームを持つ伝説の殺し屋、ジョン・ウィックの殺しの数々を、殺し屋の美学たっぷりに描く本作、『ジョン・ウィック:チャプター2』。
その美学とアクションの数々に、酔いしれたい映画です。
関連作レビュー
【映画レビュー】ジョン・ウィック/ John Wick:http://c-movie.jp/review/john-wick_chapter2/
作品情報
『ジョン・ウィック:チャプター2』(122分/アメリカ/2017年)
原題:John Wick : Chapter 2
公開:2017年7月7日
配給:ポニーキャニオン
劇場:TOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて
監督:チャド・スタエルスキ
音楽:タイラー・ベイツ/ジョエル・J・リチャード
出演:キアヌ・リーブス/コモン/ローレンス・フィッシュバーン/ルビー・ローズ/フランコ・ネロ/リッカルド・スカマルチョ/クラウディア・ジェリーニ/イアン・マクシェーン/ランス・レディック/トビアス・シーガル/ジョン・レグイザモ/ブリジット・モイナハン/ピーター・ストーメア/トーマス・サドスキー/ピーター・セラフィーノーウィッチュ/ルカ・モスカ/デヴィッド・パトリック・ケリー
Official Website:http://johnwick.jp/
関連商品
ポニーキャニオン (2018-01-10T00:00:01Z)
¥3,409
ポニーキャニオン (2019-08-21T00:00:01Z)
¥2,063
売り上げランキング: 442
売り上げランキング: 7,196
売り上げランキング: 180,864
売り上げランキング: 90,607
売り上げランキング: 103
売り上げランキング: 18,266