【映画レビュー】ZIPANG PUNK~五右衛門ロックIII
2012年12月に生舞台で観た劇団☆新感線の舞台「ZIPANG PUNK~五右衛門ロックIII」がゲキ×シネになって登場しました。
ゲキ×シネ『ZIPANG PUNK~五右衛門ロックIII』は、舞台と映画のいいとこどりの一作。
舞台で観た時は、客演の三浦春馬と蒼井優のあまりの踊りのキレの良さと見事な歌唱力に驚かされたこの作品。
新感線の舞台に若手の俳優が客演で出ていると、他の皆さんとの演技力もろもろの差がありすぎて悪目立ちしてしまうことがよくあるわけですが、この二人にはまったくそれがなく、「こ、こいつら、本物や…」とうならされたわけですが。
ゲキ×シネで観た今回は、細かい部分や他の演者の皆さんの表情や小技などもよく味わえ、より楽しむことができました。
それにしても、学生の頃から20年近く新感線を観て来ていますが、あの頃からまったく衰えを見せず、むしろ歳を減るごとにパワーアップしているなんて、本当にすごい劇団だと思います。
STORY
時は太閤秀吉の時代。釜ゆでから生き延び、ヨーロッパからも帰ってきた石川五右衛門は、女盗賊・猫の目お銀らと共に、空海ゆかりのお宝・黄金目玉像を盗み出す計画を立てる。しかし、黄金目玉像を守っていた京都所司代所属の若き探偵・明智心九郎が五右衛門、お銀たちを捕まえようと追いつめるのだった。その頃、ジパングに眠るお宝を狙い、五右衛門の宿敵であるマローネ・アヴァンギャルド公爵夫人らがヨーロッパから日本に入国していた…。
解説
古田新太演じる石川五右衛門が、釜ゆでから逃げて渡ったコルドニア国から戻り、再び日本で大暴れするゲキ×シネ『ZIPANG PUNK~五右衛門ロックIII』。
シリーズ前作『薔薇とサムライ Goemon Rock Over Drive』に登場するマローネ・アヴァンギャルド公爵夫人(高田聖子)やシャルル・ド・ボスコーニュ(浦井健治)も日本にやって来て、派手に大騒ぎしています。
天海祐希演じるコルドニアのアンヌ女王などもチラリと登場するので、シリーズファンはうれしいところでしょう。
今回の客演陣としては、三浦春馬が若き名探偵・明智心九郎を、蒼井優が女泥棒・猫の目お銀を、高橋由美子が物語の鍵を握る春来尼を演じています。
さらには、前田慶次郎、豊臣秀吉、堺の豪商・蜂ヶ屋善兵衛らが入り乱れ…、ジパングに大混乱がもたらされるのですが…。
この作品、歌に殺陣に大活劇に、新感線ファンにとってはとても楽しめるゴージャスな一作。
古田新太はもちろんのこと、右近健一の絶叫、橋本じゅんのくどい芝居、粟根まことのねちっこいキャラ作り、高田聖子のオバハン演技、悪役三人の高笑いなど、新感線らしいシーンも満載で、無条件で楽しめるはず。
しかし、ちょっとストーリーもごちゃごちゃしているし、濃いキャラクターがわんさと登場するので、新感線のことをよく知らない人にとっては、逆に敷居を高くしちゃっているような気がしますね。相変わらず長いし。
ただ、ファンにとっては、かゆい所に手の届くような、ツボを刺激しまくるこの作品。
ギャグに笑い、活劇に手に汗握り、三浦春馬や浦井健治の美声に酔いしれ、蒼井優の見事なダンスと身体のキレに感動し。
何より、演者たちがみんな生き生きと楽しんでいる雰囲気がとても良いのです。
新感線ファン、五右衛門ファンにとっては必見の一作です。
作品情報
ゲキ×シネ『ZIPANG PUNK~五右衛門ロックIII』(183分/日本/2014年)
公開:2014年3月29日
配給:ヴィレッヂ、ティ・ジョイ
劇場:全国にて
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり
出演:古田新太/三浦春馬/蒼井優/浦井健治/高橋由美子/橋本じゅん/高田聖子/粟根まこと/村井國夫/麿赤兒
公式HP:http://www.goemon3.com/
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