【映画レビュー】FLOWERS-フラワーズ-
蒼井優の娘が竹内結子と田中麗奈と仲間由紀恵で、仲間由紀恵の娘が鈴木京香と広末涼子で…という、今をときめく美人女優6人が演じる、うつくしい日本女性の三代記『FLOWERS-フラワーズ-』。
時代の流れの中で、自分らしく生きよう、自分らしく人を愛そうと懸命に生きる女性たちの姿を描いています。
「こんな美人たちでも、それなりに悩みながら生きているんだなぁ…。うん、私も頑張ろう!」と、十人並みのルックスの女性たちにも力を与えてくれるはずです。
それにしても、こんな美人家系に生まれたかったわ…。
そうそう、私的にはV6のいのっちこと井ノ原快彦が演じた役柄の30年後を、平田満が演じていたのがちょっとツボでした。
初めて気付いたけど、似てるわー、このおふたり。。。ナイスキャスティング!
<STORY>
2009年、ピアニストの夢に破れ、恋人とも別れた奏(かな)は、祖母・凛(りん)の告別式のため実家に帰る。久しぶりに会った妹の佳(けい)は、短大を卒業してすぐに結婚し、夫と息子と共に幸せそうな生活を送っていた。奏と佳の母・慧(さと)は、佳を出産後すぐに亡くなっており、奏の実家には父と祖母がふたりで暮らしていたのだった。凛には、慧の他に薫(かおる)と翠(みどり)というふたりの娘がいた…。
<解説>
この豪華な美人女優たちのキャスティング。どこかで見たことがある…と思われる方も多いのでは?
それもそのはず、彼女たちは揃って資生堂のシャンプー「TSUBAKI」のCMに出ているのです。
もともとこの作品は、TSUBAKIのボトルデザインなどを手掛けているクリエイティブディレクターの大貫卓也が企画したもの。
この映画自体にはTSUBAKIが出てくるわけではありません。
ただ、TSUBAKIのコンセプトである「日本の女性を応援する」というコンセプトは、この映画にも共通したもの。
うつくしい四季のある日本の自然の中で、うつくしい日本女性たちが、それぞれの道を懸命に生きて行く姿を描いています。
この映画の特徴のひとつは、6人の女性の物語が、それぞれの時代背景にそった映像で描かれているところ。
例えば、昭和11年(1936年)を舞台にした凛(蒼井優)の物語は、小津安二郎作品を思わせるようなやわらかなモノクロ映像で描かれています。
昭和44年(1969年)の翠(田中麗奈)の物語は、日本映画全盛期を思わせるテクニカラーのような色調。
『ALWAYS 三丁目の夕日』を製作した製作会社ROBOTが手掛けただけあって、映像処理は完璧です。
それぞれのファッションも、きっちり時代が再現されていて、微妙なスカート丈とか、ちょっと襟の大きなパンツスーツとか、現代ではなかなか見かけない衣装を見ることができました。
この6人の女性の物語の中で、私が一番好きなのは、昭和44年(1969年)を舞台にした翠(田中麗奈)のエピソード。
女性編集者として男性社会の中で働く翠が、恋人からのプロポーズを受けて悩んだり、周囲の男性社員に揶揄されてケンカしたりする姿を描いています。
どちらかといえば、この映画の中ではコメディリリーフ的扱いなのですが、“キャリアウーマン”の走りとして、壁にぶちあたりながらも負けずに進んで行く姿にとても好感がもてます。
この映画に出て来る6人の女性の中で、ここまで仕事に打ち込んでいるのは彼女だけ。
現代に生きるワーキング・ウーマンたちには、もっとも共感できるキャラクターなのではないでしょうか。
6人の女性の物語を描いたこの映画『FLOWERS-フラワーズ-』。
そのファッションや映像を観ていると、まるで祖母や母親のアルバムを見ているような気分にもなってきます。
顔も知らない男性に嫁ぎ、ひとりの男性と添い遂げるしかなかった祖母の時代。
誰かと結婚するのが当たり前で、自分のことよりも夫のことや子どものことを優先して生きるのが普通だった母の時代。
結婚するもしないも、働くも働かないも、(例え結婚していなくても)子どもを産む産まないも、自分で決定し、自分の道を生きることができる私の時代。
この70年間で、女性の生き方がいかに多様化してきたかを考えると、感慨深いものがありますね。。。
『FLOWERS-フラワーズ-』(110分/日本/2010年)
公開:2010年6月12日
配給:東宝
劇場:全国にて
企画・製作総指揮:大貫卓也
監督:小泉徳宏
出演:蒼井優/鈴木京香/竹内結子/田中麗奈/仲間由紀恵/広末涼子/井ノ原快彦/平田満
公式HP:http://flowers-movie.jp/
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