【映画レビュー】人喰猪（ヒトクイイノシシ）、公民館襲撃す！ ／ 차우

キム・ガンス巡査は、ソウルから10年以上も犯罪がなかった韓国山間のサムメリ村に異動になる。引っ越してきたその日に、猪に食い荒らされた若い女性の惨殺死体が発見された。有名な猟師のキム・マンベにより雌猪が捕獲され、安心した村民たちは公民館でバーベキューパーティーを開催。しかし、つがいを殺され怒り狂った雄猪が公民館を襲撃してくる！ 大暴れして逃げた雄猪を倒すため、キム・ガンス巡査、女性生物学者ら5人が山に入っていく…。

外来種との交配により、突然変異を起こして3メートルもの大きさに巨大化した人喰猪。
この人喰猪が山奥の平和な村を襲撃して来たので、その猪を殺すため、5人のメンバーがこの猪を倒そうと山に入って行く物語。

巨大な猪との戦いを主軸に、村人たちの家族愛、先輩・後輩の確執と和解、警官のジレンマなどを描いています。

この作品を観て思ったのは、「シン・ジョンウォン監督は、本当にこの映画が撮りたかったんだろうなあ」ということ。
スタッフや監督が楽しんで作ったのであろうということが伝わってきます。

121分という長めの尺の作品なのですが、けっこう乱暴に編集されていて、ある人物の最後などは本編内では処理しきれず、エンドロールに持ち込まれています。
つながりがおかしいシーンなどもいくつか見受けられたりも。

多分、もともとの脚本にはもっといろいろな要素が盛り込まれ、実際に撮影していたのでしょうが、あまりにも尺が長くなり過ぎ、カットせざるを得なかったのでしょうね。。。
ディレクターズカット版を観てみたい気もしますが、この内容ではやっぱり2時間がギリギリかもしれません。

肝心の猪くんは、CG、アニマトロニックス、スタントといった技術を使って映像化されたそう。
微妙なCG映像や、アニマトロニックス映像は愛嬌があり、これぞB級映画と言った趣。
かなり味わい深いです。（これ、誉めてますから）

B級モンスター映画としてはかなり楽しめると思うので、チープなB級映画好きな方は、どうぞご堪能くださいませ。