DOCUMENTARY of AKB48 to be continued　10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう？

2011/1/20 日本映画た行, 映画レビュー

今、飛ぶ鳥を落とす勢いのアイドル・グループAKB48に属する少女たちを追った、なんとも長い題名のドキュメンタリー映画『DOCUMENTARY of AKB48 to be continued　10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう？』。

恥ずかしながら、顔と名前が一致するメンバーが5人くらいしかいなかった私ですが、このドキュメンタリーを観て、彼女たち一人一人を応援したくなりました。

みんな、せいいっぱい努力して、せいいっぱい練習して、いいステージを作り上げようと頑張っています。
ひたむきに頑張る若い子は、それだけでまぶしいわ…。

＜STORY＞
2010年、第2回選抜総選挙、選抜じゃんけん大会、3回目のNHK紅白歌合戦出場と、大活躍したアイドルグループ、AKB48。これらの大イベント以外にも、彼女たちはホームグラウンドのAKB48劇場で毎日のように公演をこなしている。カメラはチームA、チームK、チームBそれぞれのリハーサルの模様を映し出し、メンバーたちにインタビューを行なう。彼女たちはどんな気持ちでAKB48に所属し、10年後はどうなりたいと思っているのだろうか…？

＜Cheeseの解説＞
このドキュメンタリーでは、多くのメンバーの個別インタビューが映し出されます。

おかげで、今まで彼女たちのことをよく知らなかった私も、10人くらいは顔と名前が一致するようになりました。
みんながそれぞれに自分の立ち位置や将来のことをを考えながら、頑張って「AKB48」を作り上げて行こうとしている様子がよくわかりました。

同じ年頃で、ある程度ルックスに自信を持っているであろう少女たちが大勢いるAKB48。
大勢いるが故に、差別化が難しくなり、人より一歩抜きんでることが出来にくくなります。
そんな中、彼女たちは競い合い、一位でも上に行こう、一歩でも前に、よりセンターに近い位置に立とうと頑張っています。

そこまでは、このドキュメンタリーを観る前でも想像がつきました。

でも、このドキュメンタリーを観て、初めてわかったことがあります。

それは、彼女たちが絶対に負けたくないライバルであると同時に、戦友であり、同志でもあるということ。

このドキュメンタリーには、よい公演を作り上げるために、汗を流し、泣きながらも、協力し合って練習している彼女たちがいました。
チーム構成の変更により、同志が別チームに行ってしまうことに涙したり、疲れ果てた末に練習場の片隅でもたれあって眠っていたりする様子は、同じ時間を共有し、強い感情を共有しあった仲間たちにしかない、連帯感を感じさせるものでした。
うーん、これこそが「青春」ってヤツなんでしょうねぇ。。。

ほんと、AKB48のみんなには頑張ってほしいです。

このドキュメンタリー映画『DOCUMENTARY of AKB48 to be continued　10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう？』を観て、私はAKB48のメンバーことを好きになりました。

ただこの作品は、ファン向けの映画であることは否めません。ドキュメンタリーというよりはプロモーション映像の趣です。
この作品は、“たまたまこの映画を観たファンではない人間”にAKB48に対する好意を持たせることは出来ても、“AKB48のファンではない人間”をこの作品のために劇場に足を向けさせる力はないでしょう。

まあ、もともとがそういうコンセプトなんでしょうし、夢に向かって努力する少女たちの魅力さえ伝わればいいのだと思います。

ただ、個人的には恋愛問題でAKB48を辞めさせられたメンバーのインタビューとか、AKB48ビジネスのお金の流れとか、AKB48サイドと各メンバーの所属事務所サイドのすり合わせの様子とか、そういうのも観たかったなぁ。
もちろん、コンセプト違いだってことは十分わかってるんですけどね。
でも、そういう多面的な方向から被写体を描いてこそ、“ドキュメンタリー”じゃないかという気がするのです。。。

ま、ドキュメンタリーとは製作者の意図を反映させたプロパガンダ的なものでもあるということも、もちろん理解してはいるのですが。

『DOCUMENTARY of AKB48 to be continued　10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう？』（120分／日本／2011年）
公開：2011年1月22日
配給：東宝映像事業部
劇場：TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて
監督：寒竹ゆり
製作総指揮：岩井俊二
企画：秋元康
出演：AKB48
公式HP：http://www.2010-akb48.jp