【映画レビュー】22年目の告白-私が殺人犯です-
藤原竜也、伊藤英明という二人の俳優ががっぷり4つに組んで、22年前に起こったある連続殺人事件の顛末を描いた映画『22年目の告白-私が殺人犯です-』。
何を考えているかわからないサイコパスや事件の犯人役がよく似合う藤原竜也、近頃めっきり俳優として落ち着きを見せて苦みばしった大人の魅力が増してきた伊藤英明、二人の俳優の魅力がしっかり引き出されたこの映画。
殺人犯と犯人を追う警察、犯罪被害者の家族や関係者の心境を丁寧に描きながらも、しっかりとエンターテインメント性をもった作品に仕上がっており、かなり満足度の高い一作と言えるでしょう。
STORY
阪神大震災の発生した1995年、東京では5件の連続殺人事件が街を震撼させていた。犯人は捕まらず、事件は時効を迎えた…。そして2017年、この連続殺人事件の犯人を名乗る男が現れた。男の名は曾根崎雅人。男は手記を出版し、記者会見を行うなど派手に世間を騒がせる。22年前、犯人を追い自身のアパートも狙われた刑事の牧村航は、曾根崎を苦々しい思いで見つめていた。牧村が被害者家族の病院院長・山縣を訪ねたところ、そこに曾根崎が現れ…。
解説
2012年に日本公開された韓国映画『殺人の告白』(英題:Confession of Murder)を日本でリメイクした映画『22年目の告白-私が殺人犯です-』。
原作の韓国映画を現代の日本に置き換えられるよう、入江悠監督と脚本家の平田研也が37稿までかけて、徹底的に隙のない脚本を作り上げています。
内容に関しては、ネタバレ厳禁の作品なのであまり多くは語れないわけですが、95年という時代設定を活かし、テレビ番組映像などもちゃっかり活用した演出もお見事。
入江悠監督、『SR サイタマノラッパー』や『劇場版 神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ』の頃は完全なインディーズ監督って感じでしたが、『ジョーカー・ゲーム』でジャニーズのスターを起用したメジャー映画を監督して以来、本当に活躍の幅を広げてきていますね。
今作で、すっかりエンタメ大作の監督としての名を上げたように思います。
演出面でも、前半では過去のニュース映像やテレビ映像をテンポ良く活用し、ノイジーな音楽で観客の感情を不安にさせるなど、そのテクニックが光ります。
後半では、俳優たちの演技をしっかりと見せ、エモーショナルなドラマを作り上げつつ安易な感動に走らず、だれない緊張感を維持させるなど、お見事の一言。
これからの日本映画への可能性を感じさせてくれる、社会派エンターテインメント・ムービーでした。
作品情報
『22年目の告白-私が殺人犯です-』(117分/日本/2017年)
公開:2017年6月10日
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場:全国にて
オリジナル映画:チョン・ビョンギル
製作:中山良夫
監督・脚本:入江悠
脚本:平田研也
音楽:横山克
主題歌:感覚ピエロ「疑問疑答」
出演:藤原竜也/伊藤英明/夏帆/野村周平/石橋杏奈/竜星涼/平田満/岩松了/岩城滉一/仲村トオル/早乙女太一
Official Website:http://wwws.warnerbros.co.jp/22-kokuhaku/
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