【本】殺ったのはおまえだ―修羅となりし者たち、宿命の9事件― / 「新潮45」編集部

殺ったのはおまえだ―修羅となりし者たち、宿命の9事件 (新潮文庫)

先日読んだ本「殺人鬼フジコの衝動」の後付に参考文献として記されていた本「殺ったのはおまえだ―修羅となりし者たち、宿命の9事件―」を久しぶりに再読しました。

本書は、ショッキングな9つのニュースを、その事件が起こった背景から読み解こうとしたルポルタージュです。

事件の原因は一概には言えないし、本書だけをうのみにするのもよくないのでしょうが、彼らが殺人者になるまでに経てきた過程を知ることは、私たちにとっても意味があると思います。

<STORY>
9つの凄惨な事件の背景に迫った本書。“大阪「池田小」児童殺傷事件”、“尼崎「実子虐待」致死事件”、“伊勢崎「主婦暴行」餓死事件”、“恵庭「社内恋愛」絞殺事件”、“埼玉「略奪愛」殺人事件”、“名古屋「十七歳双子」刺殺事件”、“池袋「通り魔」連続殺傷事件”、“奈良「月ヶ瀬村」拉致撲殺事件”、“神戸「女子中学生」手錠放置事件”の9事件を、容疑者や被害者の生育環境や家庭環境などから描いて行く。

<感想>
実際に起こった凄惨な事件の現場や周辺を取材し、まとめられた一冊。
多少、過剰な文学的表現が気になったり、記者の主観的な煽り文が気になったりもするものの、テレビや週刊誌だけではなかなか言及されない、容疑者たちの一面を知ることができます。

その事件の背景にあるものは、貧困であったり、差別であったり、幼少時から続く虐待であったり。
だからと言って事件を起こしてよいというわけはもちろんないのですが、事件に至るまでの容疑者たちの心理について、ほんの少しだけですが、知ることができるように思います。

ここで描かれている9つの事件は、有名(という言い方もおかしいですが…)なものが多いですが、ひとつだけ、ひょっとしたら私にとっても他人事ではなかったかもしれない事件があります。

それは“池袋「通り魔」連続殺傷事件”で描かれている、1999年9月8日、池袋の東急ハンズ周辺で起こった事件です。

実は私はこのころ、池袋の東急ハンズから道路を挟み斜め向かいにあるビルで働いていました。
その日、14時くらいに外に食事に出た私は、「何か騒がしいなー」くらいにしか思っていませんでした。
警察もいるし、なんだろう…、くらいには思ったような気もするのですが、詳しいことは深夜家に帰ってからテレビのニュースで知りました。
(その頃は、まだそんなに職場でネット見たりしてなかったですからね…。時代を感じるわ。。。)

この事件では、無差別に通りかかりの人が襲われています。
もし11時45分くらいに会社を出ていたら、さらにもし東急ハンズで食事しようとしていたら(実際にハンズの2階のレストランにはしょっちゅうランチに行っていました)、私が襲われている可能性もあったわけです。

本書では、この事件の被害者になった方にも言及されていますが、その方たちがそこにいたのも本当に偶然。
サンシャインシティにあるパスポートセンターへパスートを取りに行く所であったり、電気製品を買いに来たところであったり。
誰が選ばれていても、おかしくなかった状況なのです。

それを思うと、本当に恐ろしい。。。

殺人事件の犯人たちにも、その生育環境などに、同情できる点はあります。
だからこそ、私たちも(いつ偶然に被害者になるかわからないからこそ)、無意識にでも犯人を作り出す手助けをしないように、幼児虐待を見逃さないように、偏見などを持たないように、気をつけなくてはいけないのだろうと思います。

まあ、興味本位で実録事件の本を読み漁っている私が言っても、あんまり説得力はないですがね。。。

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