神様のカルテ2
櫻井翔と宮崎あおいが長野県で暮らす医者・イチとその妻・ハルを演じた映画『神様のカルテ』。
イチが医師という仕事に悩みながらも、ハルに支えられ、風変わりな同居人や上司の医師、そして末期ガンの患者たちと接しながら一人前の医師になっていくまでを描いた前作は、ハルが妊娠するというところで物語が終わっていました。
その映画の続編となる本作、『神様のカルテ2』では、前作でなんとか一人前の医師となったイチが、“医師とはどうあるべきか”、“医師の仕事と家族、どうバランスをとっていくべきか”という問題を描いています。
でもまあ、この問題は、映画の中ではどうしたって解決しない問題。
医師の“志”や気持ちの問題になってしまうので、映画として描くにはなんだか罪深い題材のような気がしますね。
<STORY>
長野県の本庄病院で、内科医として働く栗原一止。妻の榛名の出産を心待ちにしながらも、なかなか家に帰れない忙しい日々を送っていた。ある日、本庄病院に一止の大学時代の親友・進藤辰也が赴任してきた。当初は喜んでいた一止だが、残業もせず、緊急の呼び出しの電話にも出ない辰也と衝突してしまう。その頃、一止と辰也の上司である消化器内科部長の貫田が倒れた。検査の結果、貫田部長は癌であることが判明し、緊急入院となる。
<Cheeseの解説>
文学好きで浮き世離れした世界に生きる医者と、森ガール的な写真家のその妻、そしてそれぞれニックネームで呼び合う下宿屋の住人など、ちょっと変わった世界観の中で進んでいくこの物語。
前作は、ちょっとその世界観の説明が鼻につく部分が合ったこの作品ですが、パート2となる本作では、物語がとてもスムーズに運んでいきます。
今回は、イチとハルという二人の夫婦だけではなく、藤原竜也と吹石一恵演じる医者同士の夫婦、柄本明と市毛良枝の演じる家庭を顧みないで生きてきたベテラン医師と主婦の妻という、三組の夫婦が登場。
医師が“家庭”を営んでいくことの難しさや、“医療”と“家庭”を両立させようとすることで起こる問題を、それぞれの夫婦愛を軸に描いています。
“家庭”と“仕事”の両立の難しさというのは、どの仕事にもあるものだとは思います。
でも、医療現場は慢性的に人手不足でありながら、“現場の医師の頑張り”でなんとかリソースを確保しているというのは、よく聞く問題です。
「命を預かる」という重い仕事であるために、義務感を負い、やりがいという言葉で疲れをごまかしながら、頑張って下さっているお医者さんが多いのでしょうね。。。
家庭を顧みず医療現場で寝る間を惜しんで働くお医者さんを感動的に描いたこの作品、夫婦の問題を描く映画としては美しいです。
しかし、医療現場の構造上の問題を解決することなく、医師個人の問題に落とし込んで描いていると言う点では、ちょっと問題作ではないかと思ったりしなくもないのですが。。。
『神様のカルテ2』(116分/日本/2014年)
公開:2014年3月21日
配給:東宝
劇場:全国にて
原作:夏川草介
監督:深川栄洋
脚本:後藤法子
出演:櫻井翔/宮崎あおい/藤原竜也/要潤/吉瀬美智子/朝倉あき/原田泰造/濱田岳/吹石一恵/西岡徳馬/池脇千鶴/市毛良枝/柄本明
公式HP:http://www.kamisamanokarute-movie.jp/
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