ソロモンの偽証 後篇・裁判
『ソロモンの偽証 前篇・事件』がいいところでパツンと終わって以来、観るのが待ちきれなかった映画『ソロモンの偽証 後篇・裁判』。
事件に向き合おうとする真摯な中学生たちの姿が、なんとも清々しいこの作品。
実は、この中学生たちと同時代に生まれた私としては、携帯もなく、パソコンやE-mailもなかったこの時代の中学生たちの純粋な姿に、心を打たれました。
中学生と言うのは、純粋なままでも許される最後の時代。
本作は、そんな純粋な中学生たちのまっすぐな眼差しがまぶしいミステリーでした。
<STORY>
柏木卓也が遺体で発見され、同級生の大出俊次が犯人だという告発状が届いた事件で、藤野涼子は学校内裁判を始めることを決意。小学校時代に柏木のクラスメイトだったという別の中学校の神原和彦たちと共に、柏木の死の直前の行動を調べ、裁判の準備を始めていく。そして、学校内裁判が始った。裁判には大出や、告発状を書いたと言われる生徒の三宅樹理も出廷。検事役の涼子、弁護士役の神原は、関係者たちの証言を次々に引き出していく。
<解説>
いよいよ学校内裁判の始まる『ソロモンの偽証 後篇・裁判』。
主人公の藤野涼子ら中学生たちが、足を使ってじっくりと集めた証拠や証言が、次々に提示されていきます。
しかし、裁判とは言え誰もが“真実”を語るわけではなく、真剣な裁判の場が、自己弁護の場になったりも…。
ここで見せる藤野涼子の涙は本当に美しく、彼女の純粋な想いが熱く伝わってきます。
そして、その後に明かされる、意外な真実…。
ある意味、予想できるストーリー展開ではありますが、純粋過ぎる彼らが主人公であるが故に、成り立っている物語と言えるのかも知れません。
成島出監督は、藤野涼子、板垣瑞生、前田航基、西村成忠、西畑澪花ら、若いキャストたちのまっすぐな姿勢を見事に引き出し、ある種の青春物語に昇華させています。
1万人の中からオーディションで選ばれ、2ヶ月のワークショップを経て、本作の撮影に臨んだ若い俳優たち、彼らの演技はみな素晴らしいものだと思います。
この作品に出演している彼らの活躍には、これからも注目していきたいと思います。
『ソロモンの偽証 後篇・裁判』(146分/日本/2015年)
公開:2015年4月11日
配給:松竹
劇場:全国にて
原作:宮部みゆき
監督:成島出
脚本:真辺克彦
撮影:藤澤順一
美術:西村貴志
音楽:安川午朗
出演:藤野涼子/板垣瑞生/石井杏奈/清水尋也/富田望生/前田航基/望月歩/西村成忠/西畑澪花/若林時英/加藤幹夫/石川新太/佐々木蔵之介/夏川結衣/永作博美/小日向文世/黒木華/尾野真千子/塚地武雅/池谷のぶえ/田中壮太郎/市川実和子/高川裕也/江口のりこ/安藤玉恵/木下ほうか/井上肇/中西美帆/宮川一朗太/浜田学/森口瑤子/津川雅彦/嶋田久作/余貴美子/松重豊/大河内浩
Official Website:http://solomon-movie.jp/
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