【映画レビュー】300<スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~ / 300: Rise of an Empire
ジェラルド・バトラーやマイケル・ファスベンダーら半裸の美丈夫たちが、そのマッチョな体を見せ付けながら、死闘を繰り広げた2007年の映画『300<スリーハンドレッド>』。
ギリシャに戦争を仕掛けてきたペルシアのクセルクセス王と、スパルタのレオニダス王率いる精鋭300名の戦いを描いた物語です。
そして、その続編として作られた映画『300<スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~』。
『300<スリーハンドレッド>』で描かれたペルシア戦争の中のテルモピュライの戦いと同時進行で勃発していた、サラミスの海戦などのギリシアVSペルシアの戦いを描いています。
本作ももちろん、半裸の美丈夫、飛び散る血しぶき、男たちの血と汗が満載。
さらに、露出度の高いセクシーな衣装で戦う、男よりもずっと手強い二人の女戦士まで登場しちゃいます。
マッチョなイケメンたち、戦う美女、クセルクセス王のビフォアアフターなど、前作以上に見どころたっぷりな一作です。
<STORY>
神王・クセルクセス率いるペルシアの大軍が、ギリシアに襲いかかっていた。スパルタではレオニダス王が300人の精鋭を率いて“灼熱の門”に出向き、戦いを開始。アテナイではテミストクレス将軍が兵を集め、ギリシアの平和と自由を守るために立ち上がる。ペルシアの海軍を率いる女性指揮官のアルテミシアは、テミストクレスに敬意を表し、ペルシア軍への入隊を勧める。しかしテミストクレスは敢然と断り、戦いの火蓋が切って落とされる…!
<解説>
本作『300<スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~』の主人公は、アテナイのテミストクレス将軍。
ギリシアの平和と自由を守るため、ギリシアの各都市国家の男たちを集め、率いている兵士です。
前作『300<スリーハンドレッド>』は、“名誉の死を求める、生まれながらの戦士たち”の物語でした。
しかし、本作『300<スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~』は、“より良い未来を求める、一人の人間たち”の物語。
同じ「」の模様を描いていても、戦う理由がまったく違うのです。
そして、本作の特徴は、戦うのが男だけではないところ。
エヴァ・グリーン演じるペルシア軍の海軍司令官・アルテミシア、そしてレナ・ヘディ演じる夫を亡くしたばかりのスパルタの王妃・ゴルゴなど、強く美しい女性たちが、刀を手に、むくつけき男たちに立ち向かい、切り捨てていくのです。
自分の目的を遂げるためなら手段を選ばないアルテミシア、命を落としたスパルタの男たちの復讐のために立ち上がったゴルゴ、彼女たちの血にまみれた美しい表情は、なんとも見ものと言えるでしょう。
CM畑で働いてきたノーム・ムロは、この男たちの戦いの模様を、前作のザック・スナイダー監督(本作では製作・脚本を務めています)の路線を引き継ぎながら、より生々しく、より流血気味に描いています。
新鋭監督の手で、“男の美学”の物語から“人間”の物語へと進化したこのシリーズ、前作より“男の美学”のエッセンスは減っています。
そこが惜しいと思う人もいるかもしれませんが、より良い未来のために戦う人間を描く本作の方が、私は好きです。
『300<スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~』(103分/アメリカ/2014年)
原題:300: Rise of an Empire
公開:2014年6月20日
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場:全国にて
原作:フランク・ミラー
製作・脚本:ザック・スナイダー
製作:ジャンニ・ヌナリ/マーク・キャントン/デボラ・スナイダー/バーニー・ゴールドマン
監督:ノーム・ムロ
脚本:カート・ジョンスタッド
出演:サリバン・ステイプルトン/エヴァ・グリーン/レナ・ヘディ/ハンス・マシソン/ロドリゴ・サントロ/イガル・ノール/カラン・マルベイ/ジャック・オコンネル/アンドリュー・ティアナン/ベン・ターナー/アシュラフ・バルフム/デビッド・ウェナム/ピーター・メンサー/ジェラルド・バトラー
公式HP:http://wwws.warnerbros.co.jp/300movie2/
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント (2018-02-17T00:00:01Z)
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(C)2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.